新規固体電解質としてのセミクラスレートハイドレートの性能評価と伝導機構解明
Project/Area Number |
22KJ2069
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Project/Area Number (Other) |
21J20788 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
嶋田 仁 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | セミクラスレートハイドレート / プロトン伝導 / 核磁気共鳴 / 中性子準弾性散乱 / 水 / イオン伝導 / 潜熱蓄熱材 / 固体電解質 |
Outline of Research at the Start |
セミクラスレートハイドレートは、蓄熱やガス貯蔵の媒体として注目される材料の一つである。本研究では、セミクラスレートハイドレートにおいて見られる電気伝導のメカニズムを明らかにし、これらの特性を用いた応用を確立する。まず初めに、電気伝導を担うキャリアイオンの特定を実施する。次に、キャリアイオンの伝導機構を明らかにするため、分光法により水分子のダイナミクスを測定する。最後に、電気伝導度を向上させるための添加物を探索する他、電気伝導性を活かした応用用途を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、プロトンがセミクラスレートハイドレート(SCH)における伝導キャリアであることを明らかにした。本年度は、SCHにおいて見られるプロトン伝導機構の解明を目指し研究を進めた。まず、核磁気共鳴法により、SCHを構成する水分子のダイナミクス、とりわけ再配向運動を観測した。その結果、水分子の再配向時間はプロトン伝導の緩和時間と概ね一致した。このことからプロトンは、水分子の回転を律速段階としながら水分子間をホッピングする伝導機構であることを明らかにした。続いて、大強度陽子加速器施設(J-PARC)に設置されているBL02 DNAにて、中性子準弾性散乱測定を実施した。この測定により、特定のアニオン種周りの水分子は、核磁気共鳴法で観測される水分子のダイナミクスよりも速く運動していることを明らかにした。両測定法で明らかにした速度の異なる水分子の再配向運動がSCH中のプロトン伝導に大きく影響しているため、高イオン伝導体の開発にむけ、大きく前進したと思われる。電気化学インピーダンス測定では、ハライドアニオンの違いがSCH内でみられるプロトン伝導度に与える影響を精査した。その結果、ハライドイオンサイズが小さくなると、プロトン伝導度も低下する傾向が見られた。来年度は、伝導度が変化す要因を核磁気共鳴や中性子準弾性散乱測定を用いて明らかにする予定である。また、ハライドイオン以外のゲストイオンからなるSCHを独自に合成し、様々なゲストイオンがプロトン伝導度に与える影響を明らかにし、高プロトン伝導体の開発につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セミクラスレートハイドレート(SCH)内で見られるプロトンの伝導機構解明にむけ端緒を掴むことに成功した。しかし、ゲストイオンを置換した際の伝導挙動については、未だ明らかにできていない。そのためには導電率測定を加速させる必要があるものの、半導体不足の影響で、電気化学インピーダンスアナライザーの導入が遅れた。現在、適切なゲストイオンのスクリーニング方法を確立したことにより、その遅れを最小限にとどめている。単結晶の作成が容易なSCHに絞って、電気化学インピーダンス測定に取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、複数のイオン種を変化させることにより、イオン種の違いがプロトン伝導度や水分子のダイナミクスに与える影響を精査する。特に、典型的なゲストイオンであるハライド系のみならず、水酸化物イオンやカルボキシラートイオンなど、特性の異なるイオンからなるセミクラスレートハイドレート(SCH)を測定対象とすることで、各SCHの生成過程モニタリングやガスセンサー、電池材料への応用などに資する基礎データや知見を蓄積する。これまでに得られた知見を活かし、高イオン伝導を発現するSCHの開発を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)