Project/Area Number |
22KJ2072
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Project/Area Number (Other) |
21J20930 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥 裕理 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 銀河形成 / 超巨大ブラックホール / 超新星フィードバック / 活動銀河核フィードバック / 銀河間物質 / 流体シミュレーション / 数値流体シミュレーション / 超新星爆発 / 星形成 / 銀河アウトフロー |
Outline of Research at the Start |
超新星爆発や活動銀河核などの天体活動によるフィードバックは銀河の形成過程において不可欠な要素であると考えられている。しかし、フィードバックが銀河の星形成活動を制御する物理プロセスは理解されておらず、銀河形成理論における大きな課題となっている。 本研究では、pcスケールの高分解能シミュレーションに基づいた複数のサブグリッドモデルを開発し、宇宙論的銀河形成シミュレーションによってモデルを比較することで、モデルに取り込んだ物理過程が銀河形成に与える影響を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、公開コードGADGET-4 (Springel et al. 2021) をベースに、宇宙論的流体シミュレーションコードGADGET4-Osakaを開発した。最終年度ではGADGET4-Osakaを使って大規模宇宙論的流体シミュレーションを行い、シミュレーションデータセットCROCODILEを構築した。CROCODILEは銀河の星質量関数などの観測データをよく再現し、今後のすばる望遠鏡などでのサーベイ観測で銀河形成や宇宙論研究をするための重要なデータセットとなる。 ここ十年ほどで同様の宇宙論的流体シミュレーションに成功した研究グループは世界で十グループ程度であるが、経験的なフィードバックモデルの不定性が問題であった。本研究で行ったシミュレーションの特色は、Oku et al. (2022)で開発した高分解能シミュレーションに基づく物理的なフィードバックモデルを使ったことである。 CROCODILEデータセットの初期解析を行い、銀河間空間の金属分布に着目して超新星フィードバックと活動銀河核フィードバックの効果を定量的に評価した。赤方偏移2以上では超新星フィードバックの効果が支配的であり、ボイド領域の金属汚染は超新星フィードバックによって担われていることがわかった。一方で、活動銀河核フィードバックが駆動するアウトフローによって大質量銀河の周辺に数Mpcスケールの金属汚染領域ができることがわかった(Oku & Nagamine, submitted)。 今後はより大きいボックスサイズのシミュレーションを実行し、CROCODILEデータセットを拡充するとともに、将来観測による検証を見据えた詳細な解析を行う予定である。また、他のシミュレーションと比較してフィードバックモデルの違いが銀河および銀河間空間に与える影響について吟味していく。
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