界面活性剤と流体の分子スケールでの相互作用から探る抵抗低減の物理機構
Project/Area Number |
22KJ2074
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Project/Area Number (Other) |
21J21061 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小井手 祐介 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 界面活性剤 / ミセル / 乱流 / 粘弾性流体 / 分子シミュレーション / 直接数値シミュレーション / 高分子 / 粗視化分子シミュレーション / 乱流変調 / 抵抗低減 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,界面活性剤添加による乱流抑制の物理機構解明に向けて,界面活性剤水溶液の分子シミュレーションを行う.水や空気などの流体の輸送において,流れの乱流化がもたらす大きな流動抵抗がしばしば問題となる.この問題を解決する1つの方策が界面活性剤の添加である.界面活性剤は水溶液中でミセルを形成し,乱流中の渦と相互作用することで乱流を抑制すると考えられている.しかし,実験で流れ場中のミセルを直接観察することが容易ではないため,微視的な物理機構は明らかになっていない.そこで,本研究では,界面活性剤ミセルの分子シミュレーションを行い,分子スケールにおける流れ場中のミセルの物理を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,界面活性剤添加による乱流抑制の物理機構を分子スケールから解明するため,異なるスケールを対象とする3種類の数値シミュレーションを行った.(1)まず,散逸粒子動力学法を用いた分子シミュレーションにより,一様せん断流下のミセルの分裂を明らかにした.具体的には,ミセルの平均寿命と回転緩和時間から定まる最長緩和時間を導入し,平均寿命のせん断速度依存性を系統的に整理する指針を確立した.(2)次に,ミセルの分裂が流れ方向への配向に及ぼす影響を明らかにした.高分子の配向と比較することで,ミセルの分裂促進がミセルの配向を抑制することを示した.(3)また,分裂だけでなく,静止溶液中における結合の統計則も明らかにした.(4)より複雑な乱流中でのふるまいを調べるため,高分子を単純化したダンベルモデルの乱流中でのふるまいをブラウン動力学法により調べた.流れ場をスケール分解することで,乱流中の大小様々な渦がダンベルの伸長と配向に及ぼす影響を評価した.ダンベルの緩和時間に依存して,各スケールの流れ場によるダンベルの伸長や配向への寄与率が変化することを明らかにした.(5)最後に,高分子や界面活性剤ミセルが流れに及ぼす影響を調べるため,粘弾性流体の2次元円柱後流の数値シミュレーションを行った.緩和時間を増加させていくと,まず,粘弾性による渦の抑制が発生し,さらに増加させると,粘弾性流体特有の乱れが発生することを示した.
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)