上肢-体幹協調運動を制御する神経基盤の解明とリハビリテーションへの応用
Project/Area Number |
22KJ2106
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Project/Area Number (Other) |
22J01084 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 睦 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 経頭蓋磁気刺激 / 脳波 / 運動制御 / FES / TMS / EEG |
Outline of Research at the Start |
ヒトの体幹筋は日常生活からスポーツ活動に至るまであらゆる運動において身体を支える役割を担う。例えば、前方に上肢を挙げる単純動作でさえ、上肢運動に協調して体幹筋が姿勢保持をすることで、初めて遂行可能となる。この場合、動作の意識は上肢を挙げることにあり、体幹筋の活動は意識されることはない。それにもかかわらず、体幹筋は上肢の運動に協調し、適切なタイミング・強さで活動する。本研究では、こうした円滑な上肢-体幹筋の協調運動を制御する神経メカニズムを経頭蓋磁気刺激(TMS)などの神経生理学的手法を用いて解明することを目指す。さらに、得られた基礎知見を応用し、新たなリハビリテーションの開発を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、上肢と下肢、四肢と体幹といった異なる筋間の協調運動を制御する神経メカニズムに関して経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて神経的結合性という観点から検討を行った。これらをまとめた研究成果はポルトガルで開催された脳刺激に関する国際会議5th International Brain Stimulation Conferenceにて発表を行い、国内外の研究者と意見の交換を行なった。 さらに次年度以降に実施予定である、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)と機能的電気刺激(FES)組み合わせた、複数筋協調運動の向上を目指した新たな神経リハビリテーション法の開発に向け、その基盤システムの構築に取り組んだ。BCIに関しては、脳波の計測・解析技術の習得を試みたことに加え、脳波のリアルタイム解析を基にFES装置を制御するシステムの構築を進めた。構築したシステムを用いた予備実験から、それらのシステムが正常に動作することが確認されており、今後BCIの研究を速やかに進めることができると考えられる。また、BCIと組み合わせて使用することが予定されているFESに関しては、まずはFESそのものの影響を検証するために、脊髄興奮性や皮質脊髄路興奮性の評価が可能な神経生理学的な計測を用いて、その効果を調べた。特にFESが上肢筋 (Cao, Sasaki et al., 2022, Neuroscience Letters)、体幹筋 (Sasaki et al., 2023., Experimental Brain Research)、下肢筋 (Yuasa, Sasaki et al., 2023, Plos One)などのそれぞれの身体部位の制御に関わる神経活動に及ぼす影響を調べた研究成果はいずれも国際誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は次年度の研究に向けた基盤システムの構築、脳波やTMSなどの計測・解析技術の確立、およびそれらを用いた基礎研究に取り組み、いずれも十分な進展が得られたと考えられる。2023年度はここまでに得られた知見を基に更なる研究の進展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに、BCIシステムの基盤技術である脳波信号の計測および、リアルタイム解析の手法を確立した。また、脳波信号を基に機能的電気刺激(FES)装置を制御するシステムの構築も完了しており、予備実験にて、適切にBCIシステムが動作することを確認している。本年度はこれらのシステムを用いて健常者に対して介入を行い、複数筋の協調運動制御に対する効果を検証することを計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)