Project/Area Number |
22KJ2123
|
Project/Area Number (Other) |
22J10747 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
JIA YUXIANG 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | デンプン / 海洋プラスチックごみ問題 / 刺激応答性高分子 |
Outline of Research at the Start |
既存の生分解性プラスチックは生産量が低く、高価格であるだけでなく、海洋環境での生分解速度が遅く、分解過程で海洋生物に対する悪影響を及ぼす可能性が高い。一方、デンプンは安価かつ海洋分解性を有する高分子素材である。本研究では、日常生活の使用範囲内では耐水性を有しており、海水中では迅速に軟化・崩壊し、完全に生分解される前に誤摂取で海洋生物が傷つけられることを軽減するデンプンフィルムの開発を目指す。このデザインにより、優れた機械特性を実現しながらプラスチックフィルムの海洋への流出による海洋ごみ問題を解消する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
既存生分解性プラスチックは海洋環境での生分解が遅く、分解過程で海洋生物に対する悪影響を及ぼす問題点がある。本研究では、安価かつ海洋分解性を有するデンプンを原材料とし、日常生活の使用では耐水性を有して海水中では迅速に軟化・崩壊し、完全に生分解される前に海洋生物誤摂取による危険性を軽減するデンプンに基づいた(デンプンベース)フィルムを開発することを目指した。 前年度では、水素結合を海水応答性架橋結合として用いて、水素結合架橋デンプンベースフィルムを作製し、応答性架橋の保持と脱架橋によりデンプンベースフィルムの崩壊挙動を制御することに成功した。その成果に踏まえ、今年度では、より多くの使用条件に対応できるように、高イオン強度で崩壊するイオン結合を海水応答性架橋結合としての応用を検討した。イオン結合の形成が速いが、制御が難しいため、均一性のあるイオン結合架橋フィルムは現時点に報告が少なかった。そこで、化学反応をイオン結合架橋が形成する前提条件にすることでイオン結合架橋の形成速度を制御することを着想し、化学反応でイオン結合架橋の速度を制御することで、均一で透明なイオン架橋フィルム(DAS/GT/CMC)を作製した。作製したフィルムは純水中で溶解しなかったのに対して、人工海水中では一定時間後溶解し、海水に対する特異的な応答性を示した。このことは、金属イオンの作用でイオン架橋が崩壊し、フィルムの溶解を誘発したと考えられる。 また、より高度なサステナビリティ性を有して大量生産に向ける海水応答性デンプンベースフィルムを目指し、カチオンデンプンと脂肪酸を原材料として、熱可塑性イオン結合架橋デンプンベースフィルムの作製を検討した。作製したカチオンデンプン/脂肪酸フィルムは海水に対する選択的な溶解(崩壊)特性を有することに加え、熱加工で簡単に成形できることがわかった。
|