GEFを介した情報統合による興奮系Rasの制御機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
22KJ2207
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Project/Area Number (Other) |
22J20932 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩本 浩司 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 情報統合 / Ras / RasGEF / 興奮系 / 細胞運動 / シグナル伝達 / イメージング |
Outline of Research at the Start |
細胞運動は細胞内部と外部の様々な環境情報が整理、統合、処理されることで制御されている。さらに、細胞運動は細胞の前後極性が明確に決定されることが重要であり、細胞の前側は活性化Rasが蓄積することで決定される。本研究ではRasの活性化を制御する因子であるGEFが細胞内外の情報をもとにどのように情報を統合しているかを網羅的に探索する。これにより、Rasの活性化を制御する分子メカニズムを解明し、GEFを介した情報統合の組みを理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞運動は細胞内外の様々な情報を統合、処理することで制御される。細胞性粘菌ではこれらの情報がRasに集約することで下流の骨格系が制御され、細胞形態や運動方向が決まる。つまり、Ras活性化の分子メカニズムの理解は重要である。 昨年度までに自発的なRasの活性化を制御するRasGEFの同定のため、各RasGEFの過剰発現株を用いたスクリーニングを行いGEFB/M/U/XがRasの活性化に関与することが示唆された。さらに、RasGEFのノックアウト細胞におけるRasの活性化と細胞運動を評価した。その結果、GEFXがRasの活性を担い、GEFB/M/Uと協調して働くことで細胞運動を駆動することが分かった。本年度はこれらのRasGEFによるRasの活性化と細胞形態の制御メカニズムを解明した。まず、各GEFの細胞内の分布を観察した。GEFB/U/Xは細胞膜上に局在し、GEFMは細胞質内に一様に分布した。このうちGEFXとGEFBはRas-GTPと共局在し、Rasの活性化の伝播(進行波)を示した。また、GEFXの特定のアミノ酸領域が細胞膜上の局在に必須であることが分かった。さらに、GEFXの発現量とRas-GTP の進行波周期には負の相関がみられ、GEFBの発現量とRas-GTPのドメインサイズには正の相関がみられた。この結果はGEFXが時間的に、GEFBが空間的にRas-GTPの活性化ダイナミクスを制御していることを示唆する。次に、細胞形態との関係を調べた。GEFXとGEFBは細胞の仮足に局在し、GEFXは仮足の形成頻度とマクロピノサイトーシスの形成に関与し、GEFBは仮足サイズの制御に関与することが分かった。これらの結果はGEFXとGEFBによるRas活性化代のミクスの時空間的制御が細胞の生理学的行動に関与していることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rasの時空間ダイナミクス解析による、包括的なスクリーニング手法の開発により自発的なRasの活性化に関与するRasGEFの同定に成功した。さらに、これらのRasGEFの機能を明らかにした。また、cAMP刺激の応答に関与するRasGEFの同定も進んでいる。現在、25種類のRasGEFのうち20種類のGEFのノックアウト株を作製し、これらのノックアウト株において、cAMP刺激依存的なRasの活性化を評価している。これにより、細胞運動における情報統合の理解が進展すると考えられる。また、本研究室で確立されている1分子イメージングにより、活性化したRasやそれに関わるRasGEFの分子ダイナミクスの解析も可能である。来年度は、これらの系を用いてRasGEFを介した情報統合によるRasの活性化制御メカニズムの理解に取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果から、GEFXはRasの活性化におけるポジティブフィードバックに関与すると予想される。来年度はこの分子メカニズムの理解を目指す。具体的には、以下の3点に関して取り組むことを計画している。1;ポジティブフィードバックを構成する分子群の同定。2;GEFXがRasの1分子ダイナミクスに与える影響と進行波形成への関与の理解。1では、1つ目に、共免疫沈降により、GEFXと相互作用する分子を同定する。2つ目に、光遺伝学を用いてポジティブフィードバックを解明する。具体的には、活性化型のRasを人為的に細胞膜上にリクルートすることでGEFXが細胞膜上に局在するかを調べる。2では野生型とGEFX KOにおいて、活性化RasのレポーターであるRBD-Haloを用いて1分子ダイナミクスを解析する。また、引き続き網羅的なスクリーニングによるcAMP刺激によるRasの活性化に関与するGEFの同定も行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)