Project/Area Number |
22KJ2214
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Project/Area Number (Other) |
22J21666 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 30010:Crystal engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 秀実 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | レーザーアブレーション / 結晶 / 多形 / 氷 / レーザートラッピング / 相転移 / 核発生 / 結晶成長 / 種結晶 / パルス時間幅 / 高速カメラ / 有機非線形光学材料 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、レーザー光の「集める・並べる・壊す」といった工作的側面を駆使し、所望の形状・構造を有する高機能材料の創製を試みる。具体的には、短パルスレーザーが誘起する物質破壊現象(レーザーアブレーション法)と集光レーザービームが誘起する物質捕捉現象(光ピンセット法)を同時利用可能な新たなシステムを構築し、分子間力を能動的に操作しながら結晶化の制御を行う。サンプルとしては、医薬品材料や有機非線形光学材料を対象とし、従来法では作製困難な形状・構造を有する結晶の作製を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、レーザー光の「集める・並べる・壊す」といった工作的作用を駆使して結晶化を制御することである。 令和5年度は短パルスレーザーが誘起する物質破壊現象(レーザーアブレーション)と集光レーザービームによる物質捕捉現象(光ピンセット)を用いて結晶化の制御を行った.まずレーザーアブレーションにおいては、準安定多形(β形)のグリシン結晶を超短パルスレーザーによって局所破壊すると、破壊痕から安定形(α形またはγ形)への多形相転移が誘起されることを見出した。そこで、超短パルスレーザーの3次元的な加工特性を駆使したところ、結晶内部の相転移速度は結晶表面と比べて著しく遅いこと(例:~50倍)がわかった。また、過飽和の酢酸ナトリウム水溶液をレーザーアブレーションすることで、集光点の近傍から結晶が析出した。このとき析出する結晶の多形は、レーザーパラメーター(エネルギー、パルス時間幅など)に強く依存することを見出した。 一方光ピンセットにおいては、結晶化チャンバーを改良することで、これまで困難であった有機溶媒からの結晶化を実証した。また、光ピンセットによる結晶化制御を世界に先駆けて研究を行っている台湾国立陽明交通大学にも渡航し研究を行った。その結果、光ピンセットを用いることで通常の手法(育成環境の最適化)では得られない特異な凝集構造が形成する可能性を見出した。 以上の結果は、レーザーアブレーションと光ピンセットを駆使することで、結晶多形を能動的に操作できる可能性を示している。機能材料の性能は結晶多形にも強く依存することから、レーザーの工作的作用を用いることで高い機能性を有する結晶を作製できると期待される。 これらの成果は、国内外の学術会議にて成果報告した。また、アメリカ化学会の雑誌(The Journal of Physical Chemistry Lettersなど)に計3報出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初に予定していた、レーザー技術の高度化と幅広い材料への応用を実証した。そして、その結果を複数の国内外の学術会議にて成果報告するとともに、学術論文誌に出版できた。よって本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もレーザーアブレーションと光ピンセットを様々な材料に適応して、結晶の形・構造の制御に取り組む。
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