多様なアミロイド構造形成を誘起するクロスシーディングの伝播機構の解明
Project/Area Number |
22KJ2255
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Project/Area Number (Other) |
22J10017 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柚 佳祐 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | タンパク質 / アミロイド線維 / シーディング / クロスシーディング / 構造伝播 |
Outline of Research at the Start |
アミロイド線維はタンパク質凝集体の一種であり、様々な疾患の発症に関わる。アミロイド線維には構造多様性が存在し、構造に依存して異なる病態をもたらすと考えられている。しかし、このような構造多様性が生じる機構の詳細は明らかでない。本研究では、アミロイド線維のシーディング反応における構造伝播の観点から、構造多様性が生じる機構の解明を試みる。特に、異種のタンパク質種間で生じるクロスシーディングに着目し、アミロイド線維の伝播過程における構造変化および多様な構造形成のメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
アミロイド線維はタンパク質の異常凝集体の一種であり、様々な疾患の発症に関わる。アミロイド線維の基本構造はクロスβ構造であるが、微視的に構造多様性が存在し、構造に依存して異なる病態を発症すると考えられている。同種のタンパク質間で生じるセルフシーディングでは線維の構造は複製されることが報告されているが、異種のタンパク質種間で生じるクロスシーディングについての詳細は明らかでない。本研究では、主にトランスサイレチン (TTR) に着目し、クロスシーディングの伝播機構の解明を試みた。 まずクロスシーディングを行うための線維形成条件の検討を行った。TTRは中性で安定なため線維化しにくいが、N末端側の配列を欠損したTTR49-127断片について、再現性の良い線維化条件を見出したので、これを解析に用いることにした。試験管内での線維化の再現が難しい全長TTRに対して、TTR49-127をシードとしてクロスシーディングを行ったが、中性ではシーディングは起こらなかった。しかし、研究の過程でTFEを加えることで、中性でも全長TTRが自発的に線維化することを見出した。この結果は、TTRの構造不安定化要因を加えたクロスシーディング反応を検討すれば、生体内での線維化機構に対しての新たな知見が得られることを示唆する。さらに、研究室内の修士学生と共同で、TTR49-127変異体の自発線維化、さらにシーディングの解析を行った。TTR49-127変異体は野生型と異なる線維構造を形成した。またTTR49-127のセルフ及びクロスシーディングでは、構造伝播過程で顕著な構造変化は生じず、おおよそ構造複製されることを明らかにした。以前のインスリンのクロスシーディングにおける多段階の構造変化も踏まえると、クロスシーディングの構造伝播はタンパク質の配列や反応条件に依存しており、多様な動態を示すことが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)