Project/Area Number |
22KJ2269
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Project/Area Number (Other) |
22J12193 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 祐紀 神戸大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アストロサイト / Ror2 / bFGF / 神経炎症 / グリア細胞 / Ror1 / 脂肪酸代謝 / PPAR / Cpt1a |
Outline of Research at the Start |
脳梗塞などの傷害によって生じる神経炎症は二次的傷害を誘導し、病態の悪化や慢性化をもたらす。中枢神経系の機能回復を目指す上で二次的傷害を制御することが重要であるが、その分子機構は不明である。グリア細胞のアストロサイトは、神経炎症時に神経傷害作用を発揮する一方で、神経保護作用を発揮することが報告されている。本研究は、bFGFシグナルによるアストロサイトの遺伝子発現制御機構に着目することでアストロサイトの神経傷害作用に関わる分子機構を検討し、二次的傷害の制御を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系が損傷などによって傷害を受けると、免疫細胞の活性化によって神経炎症が生じる。神経炎症において、グリア細胞であるアストロサイトは、活性化し、脳機能の保護にはたらくことが知られているが、その分子機序については不明な点が多い。 我々はこれまでに、Rorファミリー受容体であるRor2が、損傷部位近傍のアストロサイトにおいて発現誘導されることを見出していたが、神経炎症における機能は不明であった。 本年度は、炎症性サイトカインIL-1bと増殖因子bFGFの共刺激が、アストロサイトにおけるRor2の発現を相乗的に誘導することに着目し、損傷部位近傍で発現するRor2陽性のアストロサイトの機能について解析を行った。 損傷を受けたマウス脳内において、アストロサイト特異的にRor2の発現抑制を誘導するための実験系を構築した。具体的には、GFAPプロモーターの下流でshRor2を発現するアデノ随伴ウィルスベクターを作製した。側脳室へのウィルス投与後、外傷性脳損傷モデルを用いて損傷を誘導した結果、Ror2の発現抑制によって脳内出血の程度が増加した。Ror2による脳内出血の制御には、酸化ストレス応答の制御因子であるNRF2が関与しており、Ror2は、NRF2の安定化に関わるp62を制御していることを見出した。これらにより、Ror2-NRF2シグナルは、脳損傷を受けたアストロサイトにおいて、脳を出血による傷害から保護していることを明らかにした。以上の成果を、共著者としてGlia誌において発表した。
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