Project/Area Number |
22KJ2294
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Project/Area Number (Other) |
22J23910 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 60070:Information security-related
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笹田 大翔 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 差分プライバシー / 時空間データ / 連合分析 / 準同型暗号 / Bulletproof / プライバシー保護 / 紛失通信 / データセキュリティ |
Outline of Research at the Start |
時間的・空間的なユーザ位置の局所性に着目し、時間と空間それぞれで適切な保護強度を使い分ける新たなLDPモデル実現を目指す。時間・空間の局所性を効果的に活用するデータの分割方法と、利用用途ごとに適切な保護強度を明らかにする。予め設定した保護強度を満たすように全データを時間・空間的にデータの利用価値を損なわない様に分割・選別して保護する。時空間データには歩行や車移動など多種多様なものが含まれ、データの利用用途に応じた最適化が必要である。本研究はデータの特徴・クラスタリング手法・利用用途の組み合わせを網羅的に分析し、組み合わせに依らずに活用できるLDPモデルに挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,時間的・空間的な傾向を維持可能なプライバシ保護手法の実現を目的としている.特に時間的・空間的なユーザ位置の局所性に着目し,時間/空間それぞれで適切な保護強度を使い分ける新たなプライバシ保護モデル実現を検討する.データに潜む時空間的局所性を効果的に活用するための適切なデータの分割方法・合成法,そして利用用途ごとに適切な保護強度の設定について明らかにする. 異なる組織間でデータを提供し合って連合分析を実施する際,非時空間データと位置情報を組み合わせることで非時空間データ単体では得られない地域的傾向や時間的過密・過疎情報を得られる.異なる組織間でデータを提供し合うには当然プライバシ保護が欠かせないため,暗号化して共有し合う.その際,誤って組織に敵対者が混入すると連合分析結果が本来の結果とは異なるものへと歪められてしまったり,意図的に操作されてしまう危険がある.そこで本研究では,敵対者が混入する可能性を考慮した安全な連合分析プロトコルを設計した.暗号化したままでもデータの内容が作為的に改ざんされていないことを検証するベクトル操作法を設計し,相互のデータ提供時に検証することで敵対者による攻撃を阻止可能な連合分析法を提案した.また,分析結果には差分プライバシに基づく出力保護を施すことで,敵対者は攻撃の可否について確認できないようにした.ただし,検証可能なデータには入力空間を大幅に制限する必要があり,実践利用には課題が残る.そのため,今後は提案連合分析プロトコルの拡張として,入力空間の拡大や検証法を再度設計し直すことで,実践的に利用可能な形へと改善を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成として,当初の計画通り組織間での時空間分析を実現するための手法について検討が実施できた.敵対者や悪意のある組織の参加も想定し,データが改ざんされていないことや攻撃の成功を確認できないように出力結果をマスクすることで,安全な連合分析を実現できた.また前年度の途中から共同研究としてフランスのTelecom SudParisと共同研究として着手している最中であり,今後はさらなる学会発表や論文誌への投稿が見込めるため概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的の達成に向けて多角的に研究に取り組んだが,各研究の統合についてまだ課題が残る.各年度で着手した研究を併用することで,プライバシ保護が過剰になってデータの価値を完全に破壊してしまったり,敵対者同士の共謀等に脆弱といった新たな問題も判明している.よって,各提案手法の併用や脅威モデルの拡張を通じて,さらなるシナリオ検討が欠かせない.今年度のようにその過程で解決しきれなかった課題や,当初の予定にはなかった新たな課題が生じた場合は,その都度対処する予定である.
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