細胞接着性膜タンパク質を搭載したエンベロープ型人工ウイルスキャプシドの構築
Project/Area Number |
22KJ2297
|
Project/Area Number (Other) |
21J21251 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
古川 寛人 鳥取大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | エンベロープウイルスレプリカ / β-Annulus / ワクチン / エンベロープ型ウイルスレプリカ / 無細胞タンパク質発現 |
Outline of Research at the Start |
コロナウイルスSARS-CoV-2は、自身のエンベロープ上に宿主細胞表面のACE2受容体に結合することで細胞内へのウイルスの侵入の役割を担っているS proteinが提示している。近年我々は、アニオン性キャプシドとカチオン性脂質との複合によりコロナウイルスを模倣したエンベロープ型人工ウイルスキャプシドの構築に成功している。さらに、無細胞タンパク質発現系により機能性膜タンパク質の搭載を報告している。そこで本研究では、SARS-CoV-2由来のS proteinを搭載したエンベロープ型ウイルスレプリカの構築及び、ACE2受容体との結合評価を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究では、従来のワクチン材料では困難であった、抗原とアジュバントを自在にかつ均一に搭載させた新規ワクチン材料の開発を検討した。具体的には、乳がん抗原ペプチドCH401ペプチドと脂質アジュバントα-GalCerを提示したエンベロープウイルスレプリカを創製し、モデルマウスへの投与及び免疫評価を行った。Fmoc固相法により合成したβ-Annulus-EE-GGGCGペプチドにBismaleimide-PEG12リンカーを介してCys-CH401ペプチドを連結することでβ-Annulus-EE-CH401ペプチドを合成した。β-Annulus-EE-CH401の自己集合挙動をDLS・ζ電位・TEMにより評価した結果、表面がアニオン性で74±26 nmの人工ウイルスキャプシドの形成が確認された。この球状集合体にα-GalCer/DOTAP/DOPC混合脂質を複合化した結果、粒径が97±28 nmに増大し、ζ電位がカチオン性にシフトした。またTEMにより、100 nm程度の球状粒子表面にCH401ペプチドと思われる5 nm程度のドット状構造が多数観察された。以上の結果より、抗原/脂質アジュバント搭載エンベロープウイルスレプリカの構築が示唆された。次に、モデルマウスへの腹腔投与後の免疫活性化評価では抗原特異的な強力な免疫活性が確認された。さらに、α-GalCerの搭載によりアレルギー応答に関与するサイトカイン放出の抑制に成功した。以上の結果より、完全人工合成によりボトムアップかつ自在に機能を付与可能な新規ワクチン材料の開発に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究結果は、当初の研究計画通りの成果を得られることができたため、おおむね順調に進展していると言える。共同研究先である大阪大学深瀬研究室とも頻繁にデスカッションを行いながら研究を進めることができ、さらにこの成果を基に論文執筆を行っている点も大きな理由の一つである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、より最適なアジュバントとの組み合わせをスクリーニングにより見つけ、標的の免疫のみを活性化させることのできるウイルスレプリカワクチンを開発する。さらに、新規感染症を標的としたウイルスレプリカワクチンの開発も検討している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(19 results)