Project/Area Number |
22KJ2312
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Project/Area Number (Other) |
21J00931 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高井 嘉樹 (2021, 2023) 広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Research Fellow |
高井 嘉樹 (2022) 広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥459,627 (Direct Cost: ¥353,559、Indirect Cost: ¥106,068)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 味覚受容体 / 産卵選好性 / 寄主選択 / 家畜化 / 化学感覚 / 産卵刺激物質 / 食草 / クワコ / 宿主選択 / カイコガ科 / 化学感覚子 / カイコガ科の進化 |
Outline of Research at the Start |
培養細胞発現系に代わる新規の味覚受容体発現系を構築し、さらにその系を利用したリガンドスクリーニングを展開する。具体的には鱗翅目昆虫のクワコを利用して、産卵に寄与する味覚受容体遺伝子とそのリガンドを同定する。先ずRNA-seqを駆使して、味覚受容体候補遺伝子の探索を行い、見出した候補遺伝子をゲノム編集技術を用いてショウジョウバエ口吻で発現させる。本来、野生型のショウジョウバエは、桑葉抽出物に対して摂食行動を示さないが、導入遺伝子が桑葉の認識に寄与する味覚受容体遺伝子であった場合は、摂食行動を示すようになる。そのような形質を獲得したトランスジェニック系統を用いて、リガンドの単離・精製を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は培養細胞発現系に代わる昆虫の味覚受容体―リガンド解析系の構築を目指した。供試生物には、申請者が扱いに慣れている鱗翅目のクワコと、その寄主植物であるクワを用いた。私は、PD採用前に、クワコ雌成虫の肢の感覚神経が、桑葉抽出物に対して電気生理学的に応答することを見出した。この応答は、産卵場所の認識に貢献していると考えられた。 先ず、クワコの成虫肢を用いたRNA-seq解析に着手した。未交尾の成虫を集めて、味覚器が密集している成虫肢第5フ節を雌雄ごとに採取し、それぞれからTotal RNAを抽出した。これらのサンプルを用いてRNA-seqを外注し、解析を行った結果、23の味覚受容体候補遺伝子を見出した。次にリアルタイムPCRで発現量の整合性を確認した後に、雄よりも雌で発現量の多い上位7遺伝子について機能解析に進んだ。この機能解析において、申請者が独自に考案した実験系が機能するかどうか、且つ実用的か否かを評価した。方法としては、ショウジョウバエの摂食行動を司る甘味受容神経に、クワコの味覚受容体候補遺伝子を発現させるものである。野生型のショウジョウバエは、甘味に対して摂食行動を示すが、桑葉抽出液には示さない。一方でショウジョウバエに導入されたクワコの遺伝子が、桑成分の受容体であった場合は、甘味だけでなく、桑葉抽出液に対しても摂食行動が観察されるはずである。私は、GAL4/UASシステムを用いて、クワコの遺伝子をショウジョウバエ味覚神経で発現させた。その結果、遺伝子組換え系統の中から、桑葉抽出液に摂食行動を示す系統を見出すことに成功した。よって、ショウジョウバエを用いた昆虫の味覚受容体―リガンド解析系が実用可能なことが示された。加えて、家畜化の影響を調査するために、クワコと共通の祖先を有するカイコについても、成虫肢で発現する味覚受容体遺伝子の機能解析を進めた。
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