Project/Area Number |
22KJ2346
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Project/Area Number (Other) |
22J20065 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
仲村 岳真 山口大学, 共同獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 細菌感染 / 宿主-病原体相互作用 / 野兎病 / Francisella / 病原因子 / 感染 / 細菌因子 / 宿主因子 |
Outline of Research at the Start |
野兎病菌 Francisella tularensis (F. tularensis) はヒトに対し高い致死性・感染性を示す高病原性細菌である。本研究課題では野兎病菌が持つ「細菌因子」及び宿主となるヒトが持つ「宿主因子」の双方を明らかとし、最終的に感染機構である「宿主-細菌相互作用」の解明を目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、同定した宿主因子がF. novicida感染機構に対しどのように寄与するかを検討するため、HeLa-FcγRII細胞のDNAJC14ノックダウン細胞を構築し、 F. novicida感染中における遺伝子発現の変動および関連分子の挙動を評価した。作製したDNAJC14ノックダウン細胞株はF. novicida感染に対する感染感受性が増加しており、感染感受性に関わる宿主因子であることが確認された。またアポトーシス関連分子の活性化を確認し、DNAJC14ノックダウン細胞では感染中のアポトーシスが促進されており、これが感染感受性の増加に寄与していることが示唆された。DNAJC14は小胞体に局在するHSP40 family proteinであり、co-chaperoneとして機能することが判明している。そこで, HSP40と相互作用するHSP70 family proteinであり、小胞体において小胞体ストレスの制御に関わるHSPA5 (GRP78) の発現を評価した。その結果、DNAJC14ノックダウン細胞ではGRP78の発現がタンパク質レベルで低下している事が明らかとなった。この結果を受け、F. novicida感染中におけるGRP78タンパク質の発現を評価したところ、GRP78の発現はF. novicida感染時間依存的に低下した。また興味深いことに、感染細胞に対し細胞死を誘導しないΔiglCの感染ではこの発現低下は生じなかった。さらに、DNAJC14ノックダウン細胞のRNA-seq解析を行い、発現変動遺伝子をGene set enrichiment analysisにより評価した結果、感染中においてDNAJC14ノックダウン細胞はリボソーム構成因子及びプロテアソーム構成因子のmRNA発現が上昇しており、タンパク質産生及び分解が活性化していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は宿主因子の解析を中心に行った。本来の研究計画であったビオチンリガーゼ法の適用までには至っていない。宿主-細菌相互作用を解明するためには、細菌因子及び宿主因子との直接的な因果関係を明らかにする必要がある。この点においては、発見した感染感受性の増加という現象に寄与する宿主因子を同定できていない。一方で、同定した宿主因子が感染感受性にどのように寄与しているかを解明するという点においては、文献調査に基づく検討やRNA-seq解析などの網羅的解析により一定の進展が得られたと認識している。これらを総合的に鑑みた結果、研究全体の進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本来の研究計画では同定した宿主因子に対してビオチンリガーゼを用いた相互作用タンパク質の同定を実施する予定であったが、計画を変更する必要がある。特に現在観察している現象に関してはタンパク質以外の細菌因子が関与や、タンパク質間の直接的な結合を介さない間接的相互作用の可能性を考えており、ビオチンリガーゼによる網羅的同定は非タンパク質の解析には不適当であると考えられる。現在、感染感受性に関わる宿主因子は同定できているものの、その細胞死増強機構が感染した細胞による防御的な反応なのか、感染させたF. novicidaの病原性により誘起される現象なのかが明らかとなっていない。宿主因子の解析に関しては、引き続きDNAJC14及びGRP78が関連する周辺機構を評価する。細菌因子の解析については、ΔiglC感染によりGRP78の発現低下が生じないというデータや、RNA-seq解析においてDNAJC4ノックダウン細胞の感染条件においてサイトカイン応答遺伝子の発現上昇が認められたというデータから、これらに関連する細菌因子を絞り込んでいく予定である。
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