Project/Area Number |
22KJ2359
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Project/Area Number (Other) |
21J00653 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福山 鴻 愛媛大学, 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター, 研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 超高温高圧実験 / マルチアンビル高圧発生装置 / 地球核形成 / 窒素同位体分別効果 / 二次イオン質量分析法 / 窒素同位体 / マグマオーシャン |
Outline of Research at the Start |
イットリウムが付加された単結晶ジルコニア基板で作成した試料カプセルを用いて引き続き高温高圧実験を行いつつ、試料との反応の影響を検証する。高分解能SIMSによる窒素同位体分析を行うにあたり、フランスのCRPGと打ち合わせを行っており、今後はCRPGと共同研究を行っていく予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は2500 ℃にまでに及ぶ急冷回収実験に関する学会発表を行った他、得られた試料を高知コアセンターにて分析準備及び分析することを試みた。高知コアセンターに設置された高分解能SIMSによる分析を行うにあたって、表面を極力平面に研磨することが不可欠であり、現地でその技術の習得をすることができた。しかしながら、窒素同位体分析には重窒素が富んだ標準試料の作成が必要となるのだが、このような標準試料を窒素定量のためにガスマスで一度分析すると、装置を汚染し今後の分析に影響を与えてしまうことから(メモリー効果)、国内で窒素同位体分析を確立していくことは比較的困難であることが共同研究者と十分議論していく中で分かった。そこで、窒素同位体分析手法が確立されているフランスのCRPGと打ち合わせを行い、今後はCRPGと共同研究を行っていく予定である。 また、昨年度は本研究課題に関連する窒素同位体分別の論文は2本新たに報告された (Shi et al, 2022; Grewal et al., 2022)。先行研究(Dalou et al., 2019)を含めると、これら3つの報告はすべて異なっており、依然として地球核形成過程における窒素同位体分別における統一的な見解は得られていない状態である。このような違い原因の1つとして、実験中の閉鎖系と平衡が不十分である可能性が指摘されており、今後実験中に反応が進みにくいカプセル材料を選定していく必要がある。一方、超高温では閉鎖系が不完全であることの影響を受けにくいことが報告されていることから(Shi et al., 2022)、2021年度に超高温での実験手法を確立していることが今後生きてくる可能性がある。 他に、博士課程から取り組んでいたbridgmaniteの窒素溶解度に関する研究が、無事昨年度の3月にScientific Reportsに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年はコロナウィルスによる渡航制限の影響を想定して国内でのSIMSによる窒素同位体分析の手法の確立を目指した。しかしながら、重窒素に富んだ標準試料を作成できたとしても定量するにあたって障壁が多く存在し得ることが研究を進めていく中で分かった。結果として、分析の予定は遅れることが予想されるが、今回のような質量分析に関する様々な知見を得られたことは貴重な体験であり、遅れに関してはフランスの研究機関と共同研究を行うことによって対応できると考えたため。 また、博士課程から取り組んでいた下部マントル主要鉱物であるbridgmaniteの窒素溶解度に関する研究が、無事昨年度の3月にScientific Reportsに掲載されたことも加味した。上記のような下部マントルにおける窒素の実験研究は依然として少なく非常に重要な成果と捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
地球核形成における窒素同位体分別に関する先行研究間での違い (Dalou et al., 2019; Shi et al., 2022; Grewal wt al., 2022)の原因が、カプセルの材料の違いが要因である可能性があることから、実験中に試料と反応しないカプセル材を新たに検討していく。既に高融点を持つイットリウム付加単結晶ジルコニア基板を購入しており、今後複数回実験を行い検証していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)