励起エネルギー準位制御と長寿命化戦略に基づく高効率アップコンバージョン材料の創出
Project/Area Number |
22KJ2393
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Project/Area Number (Other) |
21J21739 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 直幸 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | フォトン・アップコンバージョン / 三重項状態 / 紫外光 / 低励起光強度 / 多孔質フィルム / ナフタレン誘導体 / 紫外発光体 |
Outline of Research at the Start |
フォトン・アップコンバージョンは光エネルギーを有効に活用するための戦略の一つであり、光触媒や太陽電池における光変換効率の向上や生体イメージング技術への応用が可能である。これまでに溶液系として高効率なアップコンバージョン材料が多く研究されてきたが、応用化には固体系材料の開発が必要である。本研究では、新規色素の探索や分子性材料の設計を行うことで、溶液系の発光特性を向上させるとともにフィルムや結晶状態においても高効率な発光を示すアップコンバージョン材料の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
有機分子の三重項-三重項消滅を利用したフォトン・アップコンバージョン(TTA-UC)は、低エネルギーの光子をより高エネルギーの光子に変換するための方法論である。太陽光レベル(mW/cm2)の弱い光を用いてエネルギー変換を行うことができるため、太陽電池や光触媒等の光利用効率を高める応用化が期待されている。TTA-UCでは光を吸収する三重項増感剤と光を放出する発光体分子の組み合わせが重要であり、これまでに申請者らは可視-紫外フォトン・アップコンバージョンを示す高効率な分子性材料の開発に成功している。また、擬似太陽光や室内LEDライトのような低励起光強度の環境においてもアップコンバージョンを起こすことに成功した。しかしながら、本材料は揮発性有機溶媒を使用していること、取り扱いが難しい光学セルを使用した溶液試料である等、アップコンバージョンの応用化に向けた課題が残っている。 本年度は、上記課題を解決すべく前年度に作製を試みたフィルム系材料の最適化と詳細な評価を行った。本フィルム系材料は多孔質フィルムに低揮発性溶液を染み込ませたものであり、フィルム中では分子拡散に基づくTTAが起こる。したがって、バルク溶液系と同様の高いアップコンバージョン特性を示すことが期待される。結果として、本材料は27%以上のTTA-UC効率を示すことが分かり、またサンプル自体も高い透明性を示した。さらに、マイクロレンズアレイを組み合わせたサンプルを作製したところ、TTA-UCのしきい励起光強度を0.60mW/cm2まで小さくすることに成功し、取り扱いが容易で高効率なアップコンバージョン材料を開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は低揮発性液体を使用し、多孔質フィルムに染み込ませることで取り扱いが容易かつ高効率なフィルム系TTA-UC材料を得ることに成功した。本材料はバルク溶液系と同様のアップコンバージョン特性を示し、27%以上のTTA-UC効率を達成した。さらに、集光能のあるマイクロレンズアレイを本材料に組み合わせることで太陽光強度よりも一桁小さなしきい励起光強度を得ることにも成功した。本材料を構成する多孔質フィルム内の溶液中では色素が分子拡散することが可能な環境であり、また従来の固体系材料と異なり発光性の低下が少ない。本研究の目的として、低強度励起光下における高効率なアップコンバージョンを示す分子システムの開発を目指している。本年度の結果は申請者が目指す材料開発の達成と、TTA-UCの応用化に向けた研究成果であるが、これまで報告されている薄膜系TTA-UC材料の性能を大きく凌駕するものであることから、当初の計画以上に進展したものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
可視-紫外フォトン・アップコンバージョンに関する研究において、これまでにTTA-UC効率が高く、しきい励起光強度が太陽光程度に小さな溶液系およびフィルム系材料の開発に成功した。しかしながら、アップコンバージョンの応用範囲の拡大や複合化可能な材料を開発するためには完全固体化に向けた研究を行うことが有用である。今後の研究として、そのような固体系TTA-UC材料を実現するための材料設計を調査する。また、TTA-UCの各過程における励起状態や三重項エネルギーに関する理解を深めるために色素開発も試みる。色素開発では量子化学計算を用いることで、実験および理論の両方から光物理特性の評価を行い、高効率なTTAを示す分子の設計指針に関して調べていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)