染色体複製起点へのヘリカーゼ導入機構:開始複合体の機能構造とその分子動態の解明
Project/Area Number |
22KJ2423
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Project/Area Number (Other) |
22J11077 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 竜星 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | DnaA / 染色体DNA複製 / 複合体動態 / ヘリカーゼ装着 |
Outline of Research at the Start |
染色体DNA複製は複製起点から両方向に開始される。この基本的な原理がどのような分子機構によって支えられているのかは未だ解明されていない。その原因としては複製開始複合体が高次で動的な動態をもつため解析が困難であったことが大きい。しかしながら大腸菌では近年、複製開始複合体の高次構造解明が大きく進歩したことで、複製開始複合体が機能の異なる左側と右側の二つのサブ複合体から構成されることが明らかになった。また、左側複合体が複製起点の二重鎖DNAを一本鎖化する分子機構までが解明された。本研究では、複製開始複合体が一本鎖化したDNA部位へと複製ヘリカーゼを両方向に装着するまでの分子動態を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
染色体DNA複製は染色体上の複製起点領域から両方向に開始される。この基本的な原理がどのような分子機構によって支えられているのかは未だ解明されていない。その原因としては開始因子DnaAを主とする複製開始複合体が高次で動的な動態をもつため分子メカニズムの解析が困難であったことが大きい。しかしながら大腸菌では近年、染色体複製起点領域に形成される複製開始複合体の高次構造解明が大きく進歩したことで、複製開始複合体が機能の異なる左側と右側の二つのサブ複合体から構成されることが明らかになった。また、左側複合体が複製起点の二重鎖DNAを一本鎖化する分子機構までが解明された。本研究では、この新たな進展を大いに活用して、複製開始複合体が一本鎖化したDNA部位へと複製ヘリカーゼを両方向に装着するまでの分子動態を解析する。2年計画の初年度である2022年度においては、まず左側・右側DnaAサブ複合体のそれぞれと複製ヘリカーゼとの相互作用を解析するため多様な変異oriCプラスミドなどを構築した。これらを多様な変異DnaAタンパク質や複製ヘリカーゼタンパク質と試験管内で組み合わせ、DnaAのプロトマーレベルで生化学的に複製ヘリカーゼ装着活性を解析した。また、これらの結果は染色体oriCに同様の変異をもつ大腸菌変異株を用いた遺伝学的解析によっても検証した。さらに、左側・右側DnaAサブ複合体が互いに相互作用するかについても生化学的に検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、①複製ヘリカーゼとDnaA高次複合体の相互作用と②DnaAサブ複合体間相互作用について解析し、①や②で明らかにした相互作用が複製ヘリカーゼ装着にどのように機能するのかを解析する予定であった。①複製ヘリカーゼとDnaA高次複合体の相互作用については、DnaAプロトマー特異的に複製ヘリカーゼとの相互作用を減弱する変異を加えることで、複製ヘリカーゼとの相互作用に重要な可能性のあるDnaAプロトマーをいくつか特定した。②DnaAサブ複合体間相互作用については、Pulldown実験によりこれらが相互作用しうるか検証した。また、来年度解析予定であった、複製ヘリカーゼがDnaAサブ複合体間相互作用に与える影響についても解析を行った。①や②で明らかにした相互作用が複製ヘリカーゼ装着にどのような機能するかについてはフットプリント解析系の構築を進めている。これらのことから全体的には、研究は順調に進んでいると考えており、今後も計画通り解析を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでほぼ順調に研究進展しているので2023年度は当初予定した通りに推進する。②DnaAサブ複合体間相互作用をより詳細に解析するとともに、③DnaA高次複合体依存的な複製ヘリカーゼ間相互作用の解析に進みたいと考えている。①~③で見出した相互作用がどのように複製ヘリカーゼ装着に機能しているかについてもフットプリント解析を行う。今後は両方向の複製ヘリカーゼ装着の検出により詳細な解析を行うため、現在使用している過マンガン酸以外にもDMSやP1ヌクレアーゼといった他の試薬を用いたフットプリント解析と組み合わせて解析を行っていく予定である。①複製ヘリカーゼとDnaA高次複合体の相互作用についてもまだ未解析のDnaAプロトマーについて解析を進めようと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)