Project/Area Number |
22KJ2441
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Project/Area Number (Other) |
22J11973 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南部 洸太 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 強電場 / 焼結 / 拡散 / 酸素欠陥 / ジルコニア / 塑性変形 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、強電場を利用した新たなセラミックスの低温・高速緻密化技術であるフラッシュ焼結について、強電場下での高速緻密化メカニズム解明を目的とする。結晶構造解析と分光分析から強電場下で導入される点欠陥構造を特定すると共に、計算手法を用いて点欠陥濃度の推定を試みる。さらに拡散現象の速度論的解析と合わせて、その緻密化メカニズムを解明し、点欠陥構造の制御に基づく新規セラミックス創製の指針を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
2010年のフラッシュ焼結発見からおよそ10年が過ぎ、フラッシュ現象下における拡散現象の促進メカニズムについては幾つかのモデルが提案されてきた一方で、本分野の研究者間で拡散促進メカニズムに対する統一的な理解は得られていない。そこで本論文では、高温下での物質輸送現象に及ぼすフラッシュ現象独自の拡散促進効果がどのようなメカニズムに基づいて発現しているのかを特定し、必ずしも明確ではなかった電場と拡散現象に関する新たな物理的描像を得ることを目的として以下の研究が遂行された。 (1)HfO2-ZrO2拡散対に対してフラッシュ処理を行い、高温下での相互拡散挙動を評価することにより、フラッシュ現象独自の拡散促進効果の可視化と定量評価に成功した。その結果、フラッシュ現象下での物質輸送における拡散経路や拡散促進メカニズムに関する重要な知見が得られた。(2)8Y-CSZ緻密体におけるフラッシュ現象下での粒成長挙動を評価した結果、フラッシュ現象下での拡散促進効果と電流・電力密度の関係性が明らかになった。他にも、実用化に向けてZrO2の(3)き裂修復や(4)拡散接合に対してフラッシュ現象を適用し、その拡散プロセスへ及ぼす強電場の効果を調査した。その結果、焼結以外の高温プロセスである修復・接合においても拡散促進効果が認められた。これらの結果から、定常状態におけるフラッシュ現象独自の拡散促進メカニズムとしては、「強電場印加による電気的還元に起因した点欠陥(酸素欠陥)生成」が主体的に働いていることが示された。ZrO2に対して強電場を印加することで、フラッシュ現象が発現し電気化学的還元反応により点欠陥(酸素欠陥)が組織中に生成する。生成した酸素欠陥は結晶粒界近傍に蓄積し、カチオン拡散における移動障壁の低下ないしは粒界付近の拡散パスの増加を引き起こすために、カチオンの粒界拡散性が数倍促進すると推定された。
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