Project/Area Number |
22KJ2444
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Project/Area Number (Other) |
22J12102 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鶴田 哲也 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | TES型マイクロカロリメータ / 2次元位置検出 / PoST / ガンマ線 / マイクロカロリメータ / 超伝導転移端温度計 |
Outline of Research at the Start |
TES(Transition Edge Sensor)型マイクロカロリメータとは,放射線が金属に吸収される際の熱による温度上昇を,超伝導を利用するTES温度計で測定してエネルギーに換算することで,一般的な電荷収集型の放射線検出器に比べて1桁から2桁優れたエネルギー分解能を実現出来る検出器である。本研究ではMeV領域の高エネルギーガンマ線測定において高検出効率と高エネルギー分解能の両立を目指すため,読み出し配線数を増加させずに2次元の位置検出を行うことが出来るTES型マイクロカロリメータを考案して開発を行っている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きなテーマは、エネルギー分解能が高い特徴を持つ超伝導転移端温度計(以下TESと記述)型マイクロカロリメータで、Position Sensitive TES(以下PoSTと記述)の原理を用いて2次元位置検出を実証することである。TES型マイクロカロリメータとは吸収した光子のエネルギーを熱に変換し、その熱による温度上昇量からエネルギーを特定する検出器であり、PoST型マイクロカロリメータは熱の伝わる時間の差によって信号波形が変形することを利用して位置の特定を行うことが出来る。長細い吸収体の両端にTESを接続した1次元のPoSTでは既にガンマ線の位置検出に成功しており、本研究では平面型の吸収体の四隅にTESを配置して読み出すことで2次元的にイメージングを行うことを予定していた。しかしこの方法は、吸収体と熱浴に用いた金属の熱収縮率が異なると、その収縮量の差によって冷却の際にTES素子が破壊されるという課題があった。そこで2次元の位置検出を可能にしつつ、熱収縮によるTESの破壊問題を解決するスパイラルPoSTという手法を考案した。 考案したスパイラルPoST型マイクロカロリメータで2次元の位置検出が可能であるかを確かめるために有限要素法を用いたシミュレーションや放射線挙動計算コードを用いた計算等を行い、従来の1次元PoST型マイクロカロリメータと同様の解析手法で2次元の位置検出が可能になることを確認した。さらに最終年度では2次元位置検出を実測によって実証をするために、実際にスパイラルPoSTを製作してガンマ線の測定を行った。その結果、熱収縮で破壊されることなく、2つの読み出しによって2次元の位置検出に成功した。これにより当初予定していた4つの読み出しによる2次元位置検出を上回る成果を得ることが出来た。
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