Project/Area Number |
22KJ2456
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Project/Area Number (Other) |
22J20086 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 隼人 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ニホンジカ / キュウシュウジカ / 植生採食 / ブラウジング / CO2 / 炭素蓄積 / 従属栄養呼吸 / 土壌侵食 / 過食 / 炭素固定 / 炭素収支 / 純一次生産 |
Outline of Research at the Start |
日本の森林では増えすぎたシカによる過度な植生採食が生じている。これに伴い、下層植生の消失、裸地化、シカ不嗜好性植物の優占など、森林の植生構造はこれまでにない変化が起きている。これはまた、土壌侵食を発生させる懸念がある。従ってシカの過度な植生採食は森林劣化に繋がると考えられるが、実態は不明である。そこで本研究は、森林の炭素固定機能の観点から森林において生じた過食に伴う森林劣化量を明らかにすることを目的に行う。このために、下層植生の有る針広混交林、下層植生の無い針広混交林、無植生地(裸地)、不嗜好性植物優占地の4つで炭素蓄積量、炭素収支を実測し、森林劣化量を炭素収支の減少量として評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請課題では長期的なシカの植生採食が森林生態系の炭素固定機能に与える影響を明らかすることを目指している。これを達成するため、①シカ採食と続く土壌侵食が樹木成長に与える影響の評価と、②シカ採食による林分構造変化が炭素収支に与える影響の評価とを行った。①に関して、シカの植生採食が土壌侵食を増大させ、これが樹木生産量を低下させることを明らかにした。また、今年度にシカ排除柵が樹木の成長低下を予防するか明らかにするために、熊本県あさぎり町の白髪岳に設置されたシカ排除柵の内外でブナの肥大成長量を比較した。この結果、シカ排除柵が土壌侵食の防止を通じてブナの成長を維持することを明らかにした。②について、シカによって林分構造を持つ森林において炭素収支の野外計測を行った。調査対象とした林分は、シカの影響の少ない1)下層植生の存在する針広混交林、及び、シカの影響を受けた2)下層植生の消失した針広混交林、3)シカ不嗜好性灌木であるアセビが優占する林分、4)更新木の欠如したギャップ地である。昨年度から今年度にかけて、調査プロットで炭素収支の構成要素(一次生産量、土壌侵食量、従属栄養呼吸量)の定期観測を行った。その結果、シカによる下層植生採食は更新木の欠如させること、これと①の結果により、炭素蓄積量と純一次生産量を減少させることを明らかにした。シカの採食はまた不嗜好性種の拡大や枯死木の増加をもたらすが、これらが炭素蓄積量や純一次生産量に与える影響は僅かであった。従属栄養呼吸量は林分構造が変化するにも関わらず、大きな変化は確認されなかった。土壌侵食量は下層植生の衰退した林分で増加し、土壌炭素の系外流出を増加させていた。結果的に、シカの植生採食は林分構造を変化させ、森林生態系を炭素の吸収源から放出源へ転換する可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の実施報告と同様に、令和4年台風第14号に起因する調査地へのアクセス難化によって野外計測の労力が増大している。このため、本研究の申請書で予定していた野外計測について当初の予定より大幅に遅れることとなった。この影響で、リモートセンシング技術や炭素収支モデリングを用いた研究結果の広域展開・将来予測に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
リモートセンシング技術や炭素収支モデリングを用いた研究結果の広域展開・将来予測について、申請者のみで実施するのではなく、共同研究者を招いた共同研究の形で達成するよう働きかけている。
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