大規模生命データから中核要素を選び取る解析法の構築
Project/Area Number |
22KJ2462
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Project/Area Number (Other) |
22J20665 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43060:System genome science-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 健 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 一細胞オミクス / 空間オミクス / エピゲノム / 単一細胞解析 / エピゲノミクス |
Outline of Research at the Start |
組織や器官は様々な細胞種によって形成される。すなわち、生命現象や病理の解明には、各細胞種において特徴的な発現を持つ遺伝子やタンパク質を同定し、それらが構成する組織や器官の機能性を理解する必要がある。単一細胞レベルで転写産物やタンパク質を網羅的に定量する単一細胞オミクス技術は、詳細な細胞集団の同定とタンパク質や遺伝子発現組成の特徴付けを可能とした。一方、データの持つ細胞数×特徴量(転写産物、タンパク質等)数の膨大な情報を解釈する困難さが、生命科学分野の大きな課題となっている。本研究では、情報を取捨選択し、解析対象を特徴的付ける遺伝子など、解釈に必要な情報を獲得する技術の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単一細胞オミクスデータ中から、細胞集団のマーカーとなる特徴量や、細胞状態に変化を及ぼす特徴量など、解釈に必要な情報を獲得する技術の開発を目指す。また、並行してオミクス技術の開発および、新規データの取得・解析を行う。本年度は、2022年度に開発した (1)空間情報とタンパク質発現情報の同時取得を行う空間プロテオーム解析技術、(2)細胞ごとに二種類のエピゲノム情報の同時取得を行う一細胞マルチエピゲノム解析技術の二点のオミクス技術によるデータの取得と定量・解析を行なった。(1)空間プロテオーム解析技術では、この技術のデモンストレーションとして、新たにヒト子宮癌肉腫をサンプルとしたデータの取得を行った。ヒト子宮癌肉腫では、上皮間葉転換(EMT)がおこり、上皮細胞・間葉系細胞が入り混じっているが、転換期に当たる細胞は同定されていなかった。上皮細胞・間葉系細胞の同定に加え、EMTマーカーとなるシグナルタンパク質の発現が上昇した、活性化状態の細胞を発見した。さらにこれらの各細胞種の空間的な存在パターンを示した。この解析技術と結果について執筆した論文は、Nature communicationsでin pressである。(2)一細胞マルチエピゲノム解析手法では、新たにマウス胚のLimbをサンプルとし、RNA Polymerase II(RNAPII) & H3K4トリメチル化(H3K4me3)、RNAPII & MyoDの局在を定量した。RNAPIIの局在パターンから細胞種を同定し、骨格筋形成におけるH3K4me3の集積状態やMyoDの結合状態について解析を行なった。この解析技術と結果について執筆した論文を現在執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オミクス技術開発およびデータの取得は順調に進展している。空間オミクスデータの解析から、特定の共通したシグナル発現を示す未知細胞集団の発見に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに取得したデータをもとに複数のオミクスデータの統合解析手法の開発を行う。特にマルチエピゲノムデータの統合解析に注力する。一細胞解析の中でも普及している一細胞トランスクリプトームデータに比較して、感度の低いデータとなるため、ノイズやバッチ効果の除去に重点をおいた手法の開発を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Precise immunofluorescence canceling for highly multiplexed imaging to capture specific cell states2024
Author(s)
Kosuke Tomimatsu, Takeru Fujii, Ryoma Bise, Kazufumi Hosoda, Yosuke Taniguchi, Hiroshi Ochiai, Hiroaki Ohishi, Kanta Ando, Ryoma Minami, Kaori Tanaka, Taro Tachibana, Seiichi Mori, Akihito Harada, Kazumitsu Maehara, Masao Nagasaki, Seiichi Uchida, Hiroshi Kimura, Masashi Narita and Yasuyuki Ohkawa
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Journal Title
Nature Communications
Volume: -
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Peer Reviewed
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