近赤外光でフォトクロミズムを示すジアリールエテンの開発
Project/Area Number |
22KJ2513
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Project/Area Number (Other) |
21J22524 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 35030:Organic functional materials-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
碇子 壱成 熊本大学, 自然科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 可視光応答 / 三重項 / 蛍光 / スイッチング |
Outline of Research at the Start |
継続課題のため、記入しない。
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Outline of Annual Research Achievements |
2年目では、1年目までに課題として残っていた、ペリレンビスイミド(PBI)を連結したジアリールエテン(DAE)誘導体の、可視光照射に対する光閉環反応量子収率(0.0029)の向上を目的とした。分子設計において、1年目で明らかになった知見を基に、PBIの最低励起一重項状態のエネルギーレベルよりもDAEの三重項状態がエネルギー的に低いことを前提条件とした。これまでに分子のπ共役を拡張して吸収波長が長波長化したDAEが複数報告されているが、DAEの光反応に関与する反応点で共役系を拡張した分子が可視光閉環反応を示すことが報告されている。そこで、目的の達成に向けてDAEの光反応に関与する反応点でPBIと連結したDAE誘導体の合成を行った。四塩化炭素中において、合成した分子に波長532 nmのレーザー光を照射したところ、効率よく光閉環反応を示したことが認められた。可視光閉環反応の量子収率の測定を行った結果、0.048と算出され、以前に開発した分子と比べて、約16倍増大したことが認められた。この分子に対して分子軌道計算を行ったところ、LUMO+1において、光反応に関与する反応点を含んでPBIと連結するスペーサーまで軌道が広がっていることが明らかになった。以前に合成した分子のLUMO+1においては、スペーサーまで軌道は広がっているものの、反応点の寄与はほとんどないことが認められた。現在、これまでの知見を基に、更に高効率で可視光閉環反応を示すDAEの開発を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本学術振興会特別研究員(DC1)として、これまでに報告されている例では説明できない特異な光反応のメカニズム解明を目指し、最終的には近赤外光で可逆的な光反応を示すジアリールエテン(DAE)誘導体の分子設計指針を確立することを目標に研究に取り組んでいる。これまで取り組んできた中で、可視光照射に対する光閉環反応の量子収率が0.0029と非常に低いことが、解決すべき大きな課題として残っていた。そこで本年度は、可視光照射に対する可視呼応閉環反応の量子収率の向上を目的とした。目的の達成の達成に向けて、ペリレンビスイミド(PBI)とDAEを連結する位置を変えた分子の設計・合成を行った。合成した分子に波長532 nmのレーザー光を照射した結果、光閉環反応が進行したことが認められた。四塩化炭素中における可視光照射に対する閉環反応量子収率は0.048と算出され、以前に合成した分子より16倍増大したことが認められた。現在、1年目の知見と合わせて新しい分子の設計・合成に取り組んでいる。可視光閉環反応の効率に寄与する因子を見出すことができており、光閉環反応量子収率を向上できていることから、おおむね順調に研究が進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目までに確立したメカニズムおよび分子設計指針を基に、さらに効率よく可視光での光反応が進行する分子の開発に取り組む。また、吸収波長が近赤外域まで長波長化した蛍光色素を用いて、近赤外光でフォトクロミズムを示すDAEの開発に取り組む。これまでの知見から、蛍光色素の励起一重項状態のエネルギーレベルと、ジアリールエテンの三重項のエネルギーレベルがマッチすることが可視光閉環反応の前提条件であると考えている。近赤外光で光閉環反応を示す分子の開発に向けて、より低い三重項のエネルギーレベルを有するDAEを理論計算より明らかにする。そしてDAEと蛍光色素の結合様式を最適化した分子の設計を行い、合成を試みる。合成した分子の光反応転換率、光反応量子収率などの測定を行い、スイッチング分子、蛍光分子としての性能を評価する。蛍光色素とDAEを連結することで期待していた物性が得られなかった場合、その情報を分子設計にフィードバックし、分子物性の改善を試みる。研究がスムーズに進行した場合は、近赤外蛍光イメージングなどへの応用も検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)