Project/Area Number |
22KJ2523
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Project/Area Number (Other) |
21J22312 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 28020:Nanostructural physics-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
原田 知季 宮崎大学, 農学工学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 非発光再結合 / キャリア寿命 / フォノン / 光熱変換法 / ナノ構造 / 光熱変換測定 / キャリアライフタイム / マッピング測定 / 熱伝導率測定 |
Outline of Research at the Start |
1次エネルギーの約6割が排熱として排出されており、これを有効利用する技術の1つに熱電変換がある。低コストなSiを用いた熱電素子の実現には、ナノ構造化によってその熱伝導率を大幅に減少させる必要がある。本研究課題では、作製したSiナノピラー/SiGe複合膜の熱と電子の輸送特性を評価するために、半導体に光照射して生じる熱膨張を干渉計で検出する光ヘテロダイン光熱変位法を新規開発する。熱膨張の時間変化には熱特性と光励起キャリアの輸送特性の情報が含まれる。同法による複合膜の評価によって、低コストかつ高効率な熱電素子の実現に寄与する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究で光ヘテロダイン光熱変位(LH-PD)法を開発した。同法は、励起光照射によって生じたキャリアの非発光再結合による発熱に起因する熱膨張変位を干渉計で検出する手法であり、熱およびキャリア物性についての情報が得られる。実験で得られる変位量の時間変化を再現する数値計算との比較により物性値の算出が可能である。また、試料をXYZステージ上に設置し変位量マッピング測定を可能にした。意図的に鉄汚染させた試料を測定した結果、非発光再結合中心の分布も測定可能であると結論づけた。さらに、前述の数値計算結果を学習した機械学習モデルで変位量の時間変化から物性値を予測できるようにした。これにより、変位量マッピング結果を物性値マッピングに変換できるようになり、再結合特性を定量的に評価できる。また、LH-PD法は励起光の断続周波数fexが可変である。熱拡散長はfexと関係するため、熱拡散長が可変となる。fexを変化させながら測定した結果、試料厚さ方向の違いを観測できた。前述の面内マッピングと組み合わせることで、三次元マッピング測定の可能性も示唆された。 開発したLH-PD法で、Siナノピラー/SiGe複合膜のキャリア物性を評価した。励起光を複合膜に直接照射した場合と、複合膜上に形成したAl膜上に照射した場合の2条件で測定した。前者にはキャリアの情報が含まれ、後者ではAl膜が光吸収しキャリアが生じないため2つの実験の比較からキャリア寿命について情報が得られた。結果としてナノピラーの間隔が27 nmの時、キャリア寿命が長いことがわかった。熱電素子にはナノピラーの間隔が27 nmの複合膜が適切であることがわかった。 LH-PD法は、半導体中の非発光再結合の分布の測定だけでなく、キャリア輸送と熱輸送の両方の評価にも有用で、他材料への展開も期待できる。
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