Project/Area Number |
22KJ2554
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Project/Area Number (Other) |
22J14738 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
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Research Institution | Tohoku University (2023) Tokyo Metropolitan University (2022) |
Principal Investigator |
小倉 宏斗 東北大学, 工学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 遷移金属ダイカルコゲナイド / トンネルトランジスタ / ヘテロ構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、化学的に高濃度・局所キャリアドープされた二次元半導体による高性能トンネルトランジスタの実現を目指す。現在まで、申請者は独自のアプローチより、単層の二硫化モリブデンへの高濃度かつ安定な電子ドーピングを世界で初めて実現した。このドーピング技術のさらなる高濃度化とパターニング技術の開発を通じ、二次元半導体を用いたトンネルトランジスタの高性能化を実証し、将来の超低消費電力デバイスの実現に向けた基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高濃度ドープを実現しやすい多層TMDCにおいて、異種結晶が同一の面内で接合した構造(面内ヘテロ構造)の作製およびデバイス評価を行った。界面の構造観察用にWSe2/MoS2、電子輸送特性の評価用にNbxMo1-xS2/MoS2多層面内ヘテロ構造を作製し、ラマン散乱分光やフォトルミネッセンス(PL)分光、原子間力顕微鏡、および電子顕微鏡観を用いて構造を評価した。特に、多層WSe2/MoS2の断面の電子顕微鏡観察からは、WSe2の端から同じ結晶方位を持つMoS2が接合している様子が明瞭に確認された。次に、多層NbxMo1-xS2/MoS2ヘテロ構造を利用し、電子輸送特性の評価を行った。ここで、NbxMo1-xS2は高濃度にホールを含むp型半導体である。一方、MoS2はn型半導体として振舞い、シリコン基板表面のSiO2酸化膜を介してゲート電圧を印加することで、電子濃度を増加させた。実際に、50K以下の低温においてゲート電圧を印加したとき、負性微分抵抗の傾向(NDR trend)を持つ電流-電圧特性が得られた。このNDR trendによって、界面においてトンネル電流が流れていることを実証できた。 更に、このヘテロ構造によるトンネルトランジスタの性能向上に向け、結晶歪みに由来する再結合電流の影響を低減するべく、原子レベルに平坦な六方晶窒化ホウ素(hBN)の上に転写することを考えた。その前段階として、転写装置の立ち上げを行い、安定して積層構造を得るための条件最適化を行った。これにより、予備的な実験において、機械的に剥離したhBN結晶同士を、位置制御を伴って積層させることに成功した。これにより、今後は様々なTMDCおよびそのヘテロ構造をhBN上に転写することが可能となり、トンネルトランジスタをはじめとする、TMDCを用いたデバイスの高性能化に向けて極めて重要といえる。
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