漂着軽石の生産・運搬・堆積過程の解明:過去の黒潮流路の復元に向けて
Project/Area Number |
22KJ2555
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Project/Area Number (Other) |
22J14775 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17030:Human geosciences-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
平峰 玲緒奈 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 漂着軽石 / 火山ガラス / 化学組成分析 / 火砕流堆積物 / EPMA分析 / 海底火山 |
Outline of Research at the Start |
漂着軽石に関する研究は,調査地域が一地域に限定されている事例や一噴火に関わる事例の報告が多く,どのようにして漂着軽石は生産されるのか(生産過程),どのような漂流経路・漂流期間を持つのか(運搬過程),どのような条件が揃うと堆積するのか(堆積過程)という基礎的情報が圧倒的に不足している.本研究の目的は,日本列島周辺域における漂着軽石の挙動を時空間的に明らかにし,漂着軽石の生産・運搬・堆積過程を解明することである.そして,漂着軽石による実証的な過去の黒潮流路の復元と,洋上漂流物の移動経路を示すトレーサーとしての利用を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本列島周辺域における漂着軽石の挙動を時空間的に明らかにし、漂着軽石はどのようにして生産されるのか(生産過程)、どのような漂流経路・漂流期間を持つのか(運搬過程)、どのような条件が揃うと堆積するのか(堆積過程)の3点を明らかにすることである。 2023年度は主に、現在の海岸で採取された漂着軽石、太平洋の海底表層で採取された漂着軽石の化学組成分析を行った。現在の海岸で採取された漂着軽石に関しては、黒潮が沖合に流れる5地点で採取された漂着軽石について、軽石に含まれる火山ガラスの主成分化学組成分析を行った。昨年度に分析していた結果もあわせると、漂着軽石は多いものから順に、姶良、福徳岡ノ場、西表島北北東海底火山、白頭山、桜島などを給源としていることがわかった。給源を特定できた漂着軽石のうち、火山の周辺に広く火砕流堆積物を有する姶良や阿蘇などの火山由来の漂着軽石の存在から、一次堆積の火砕流堆積物に含まれる軽石の再移動が火山噴火のない期間の漂着軽石の生産を担っている可能性が示唆された。太平洋の海底表層で採取された漂着軽石に関しては、日本から約1,800 km東方に位置するシャツキーライズ周辺の海底表層から採取された漂着軽石について、長径8から16 mmのものに着目し、化学組成分析を行った。その結果、漂着軽石は多いものから順に、鬼界もしくは阿多、福徳岡ノ場、鬱陵島、屈斜路、姶良、十和田などを給源としていることがわかった。一方、90%以上の漂着軽石は給源が特定できなかった。これらの給源不明の漂着軽石は、採取地点が太平洋ごみベルト周辺であることから、環太平洋の陸域や海域の火山から供給された軽石である可能性が考えられる。また、福徳岡ノ場2021年噴火による軽石に関する継続的な現地調査を沖縄本島、石垣島、奄美大島、喜界島等で行い、軽石の漂着量や粒径分布を前年のデータと比較を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)