Project/Area Number |
22KJ2677
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Project/Area Number (Other) |
21J22062 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 隆起 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | スピントロニクス / スピン流 / 軌道流 / スピントルク / 軌道トルク / イオン液体 / 異常ホール効果 / スピン軌道トルク |
Outline of Research at the Start |
近年,自然酸化銅/強磁性金属に生じるトルクの生成メカニズムが軌道流由来であることが判明したが,原因不明な点が多数存在する. これまで,電流誘起トルクの起源はスピン流やスピン軌道相互作用に着目し,軌道流由来のトルクに焦点を当てた研究は殆どない.そこでイオンゲルに着目し,軌道流由来のトルクの電気的な制御,メカニズムを明らかにしようと試みる.イオン液体は,主に半導体分野で,ゲート電圧を用いてイオンドープ・脱ドープを制御するために用いられてきた.これをゲル化してスピントロニクス分野のスピントルク強磁性共鳴(ST-FMR)測定に応用し,軌道流由来のトルクをゲート電圧で制御する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,スピントロニクスデバイスの新たな機能性の創出・発見である.研究開始時点では,スピントルクを電気的に制御することで,新たな機能性の創出を目指していた.一方で,近年,軌道流の存在が理論的に明らかとなり,スピン軌道相互作用の小さい材料を用いて実験的にも示唆された.軌道流や軌道トルクは,スピントロニクス研究に新たなパラダイムを齎すことが期待されるため,本研究では軌道トルクの制御にも取り組んだ. 本研究の実績として,以下3点が挙げられる. 1つ目に,イオン液体の選定とイオンゲルの最適化を行った.イオン液体DEME-TFSIおよびブロック共重合体を用いることで,先行論文に匹敵したI-V特性を有するイオンゲルの作製に成功した.また,関連成果として,第70回応用物理学会春季学術講演会にてポスター発表を行った. 2つ目に,軌道流の観測にあたり,異なる2つのファンデルワールス(vdW)材料を重ね合わせるというアプローチを考えたため,まずは新規のvdW強磁性材料であるFe5GeTe2を選択し,磁気特性を調べた.その中で,通常の強磁性体金属とは異なる磁気的振る舞いの観測に成功し,AIP Advancesに掲載された.また,関連成果として,HYPERFINE 2023を含む2件のポスター発表を行った. 3つ目に,強磁性体の組成比を変化させることによって軌道トルクの大きさを変調させることに成功した.当初は,異なる2つのvdW材料を用いて,軌道トルクの電気的制御を実施する予定であったが,近年,軌道流がトルクに変換される際に,強磁性体の種類に強く依存することが明らかとなってきたため,強磁性体の組成を制御し,軌道トルク効率の組成依存性を定量することを優先した.その結果,軌道トルクの振る舞いはスピントルクとは本質的に異なる可能性があることが示唆された.現在,観測結果を成果としてまとめている.
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