Project/Area Number |
22KJ2751
|
Project/Area Number (Other) |
22J00725 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鈴木 慶孝 上智大学, 総合グローバル学部, 特別研究員(PD) (00868953)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | トルコ / マイノリティ / 移民・難民 / 社会統合 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、複雑な中東情勢から、「移民/難民受け入れ国」へと変化しつつあるトルコの実態と全体像を把握するために、トルコがどのような政策によって移民や難民の統合を図ろうとしているのか、そこにどのような不公正さや排除の論理が含まれ、実際に移民や難民がいかなる排除や選別を経験しているのか、また統合を阻む要因が何であるのかを明らかにすることにある。 そしてトルコが、移民や難民の地位や権利、アイデンティティを保証し、多様性の受容を実現するための今後の課題と展望を示すことで、「移民/難民受け入れ国トルコ」の、社会統合に向けた課題や展望も併せて明らかにしていく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、複雑な中東情勢から、移民や難民の受け入れ国へと変化しつつあるトルコ共和国の社会統合の課題を明らかにし、人々の融和や多文化社会を実現するための課題や展望を示すことにある。移民や難民の受け入れが、既存のトルコ社会構造や、マイノリティの包摂問題に影響を与えることは避けられない。そのため2023年度は、移民や難民の受け入れが、トルコの排他的な政治的・社会的構造、ナショナル・アイデンティティ、国民社会、マジョリティ・マイノリティ集団の活動等に与える相互的な影響を明らかにすることを目指してきた。 2023年度は主に、学会発表やビューポイントの発表、トルコでのフィールドワーク調査を通じて、これらの研究課題に取り組んできた。それにより、移民・難民受け入れの要であり、人々の権利と地位を区別するための政治社会システムである、トルコのシティズンシップの特徴を明らかにした。また移民や難民の受け入れるさいに、トルコのナショナル・アイデンティティや国民社会が直面する諸課題や、アレヴィー派やクルド人といった国内のマイノリティ集団がシリア難民をどのように認識しているかを様々に指摘することで、トルコが人々を平等に処遇するための課題を提示してきた。次いで、トルコでフィールドワーク調査を行うことで、建国100周年記念日の現場観察調査や、シリア難民のコミュニティハブや集住地域を複数調査するとともに、資料収集も行ってきた。フィールドワークや現地での資料収集の成果は、次年度以降の研究成果に反映させていきたい。これらの研究活動によって、本年度の研究課題に対して一定以上の成果がでたものと考える。引き続き、移民や難民の受け入れ国に変化しつつあるトルコが、多様性を如何にして包摂することができるのか、その課題や展望を明らかにするために、精力的に研究活動に邁進していきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は主に、学会発表やビューポイントの発表、トルコでのフィールドワーク調査を通じて研究課題に取り組んできた。それにより、移民・難民受け入れの要であり、人々の権利と地位を区別するための政治社会システムである、トルコのシティズンシップの特徴を明らかにした。また移民や難民の受け入れるさいに、トルコのナショナル・アイデンティティが直面する諸課題や、アレヴィーやクルド人といった国内のマイノリティ集団がシリア難民をどのように認識しているかを様々に指摘することで、トルコが人々を平等に処遇するための課題を提示してきた。また、トルコでフィールドワーク調査を行い、シリア難民のコミュニティハブや集住地域を複数調査するとともに、資料収集も行ってきた。これらの研究活動によって、本年度の研究課題に対して一定以上の成果がでたものと考える。今後もこれらの研究成果を活かすことで、研究課題に対して、精力的に研究活動を展開していきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ここまでの研究内容や議論をまとめあげることで、「移民国トルコ」が多様性を包摂するための課題や展望を総体的に示し、トルコが経験している社会変動の全体像を提示することを目指す。とくに、トルコが多様性を包摂するためには、多文化主義的な統治手段の検討や、ナショナル・アイデンティティのそのものの再構築が課題となる。2024年度は、これらの課題に取り組むことで、「移民国トルコ」が抱える課題や将来的な展望を示していきたい。 また2024年度も、トルコでフィールドワーク調査を行い、シリア難民集住地域での現場観察調査やトルコ語文献収集を行う予定である。その成果を、今後の研究活動に精力的に反映させていきたい。
|