Project/Area Number |
22KJ2809
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Project/Area Number (Other) |
22J12499 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
篠木 正隆 東京理科大学, 創域理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2023: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 超新星背景ニュートリノ / スーパーカミオカンデ / 超新星爆発 / 中性子捕獲 |
Outline of Research at the Start |
大質量の恒星は超新星爆発により大量のニュートリノを放出する。これは非常に稀な現象であるが、過去の超新星爆発で放出されたニュートリノは現在も宇宙空間を満たしており、超新星背景ニュートリノ(SRN)と呼ばれる。SRNが実験で測定できれば超新星爆発の機構や恒星進化の理解が大幅に進むが、観測は難しく未発見である。本研究では約5万トンの巨大な水タンク型の検出器スーパーカミオカンデを用いてSRNの初観測を目指す。スーパーカミオカンデではガドリニウムを水中に添加してバックグラウンドとの識別性能を向上する検出器の改良がなされた。本研究では改良後の新しい観測データを解析してSRNの発見を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ガドリニウム含有水を用いたスーパーカミオカンデによる超新星背景ニュートリノの観測である。その目的を達成するために、主要なバックグラウンドとなる宇宙線ミューオン起源の核破砕生成物を測定した。本研究では、ミューオン核破砕により水中に生成される(1)中性子および(2)リチウム9を測定した。 (1) スーパーカミオカンデ超純水中へのガドリニウム導入に伴い、ガドリニウムによる中性子捕獲事象を確認するため、宇宙線ミューオン起源の核破砕中性子の生成率を測定した。これは水標的を用いた中性子生成率の測定としては二例目である。また、スーパーカミオカンデ近傍に位置する液体シンチレータ検出器KamLANDにおいても、過去に核破砕中性子の測定が行われている。そのため、本測定をもって、同等の深さで異なる標的を用いて中性子生成率を測定した初めての例となった。 (2) スーパーカミオカンデに飛来する宇宙線ミューオンは水中での核破砕反応により、中性子だけでなく多様な不安定核種も生成する。中でもリチウム9はベータ崩壊反応により電子と中性子を放出するが、これは陽電子と中性子が発生する超新星背景ニュートリノの反応と酷似しているため、超新星背景ニュートリノ探索の主要なバックグラウンドとなる。リチウム9のベータ崩壊により放出された電子のエネルギースペクトルについて、ガドリニウム導入前のスーパーカミオカンデでは8MeV以上のエネルギーでの測定が行われていたが、本研究ではその下限値を4.5MeVまで引き下げての測定を実現した。 以上はガドリニウム含有水を用いたスーパーカミオカンデによる超新星背景ニュートリノの観測に繋がる研究成果である。
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