Project/Area Number |
22KJ2950
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Project/Area Number (Other) |
22J20401 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
胡 テイ 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 計時 / ラット / 予測誤差 / 価値 / 習慣 / 低価値化 / 条件づけ / 学習 / インターバルタイミング |
Outline of Research at the Start |
動物は時間の経過を感じとり、ある事象の持 続時間を正確に推定できる。そこで、複合刺激における「刺激選択」(パブロフ型学習場面)或いは「選択的刺激性制御」(オペラント型学習場面)の一連の研究から明らかにされてきた学習法則が、同様に 「時間」といった抽象的な刺激次元にも適用できるかについて、不明なことが多い。本研究は絶対的及び相対的予測可能性(行動の結果を予告する程度)を仮定しており、この二つの要因に対して実験的な操作を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
動物は時間の経過を感じ取り、事象の持続時間を推定できるため、時間という抽象的な次元が学習に与える影響を理解することが重要である。本研究は行動を制御する刺激の時間特性と他の物理特性の関係性を明らかにすることを目的とした。 本年度は主に以下の2つの実験に従事した。1)去年度の継続として、時間弁別刺激の刺激性制御の獲得に注目を当て、時間表象と価値表象が独立に処理されているかを再検証した。2)複合刺激における「刺激選択」(古典的学習場面)あるいは「選択的刺激性制御」(オペラント型学習場面)の一連の研究から明らかにされてきた学習法則が、同様に「時間」といった抽象的な刺激次元にも適用できるかを調べた。 1)本研究は刺激性制御の程度を影響する要因として、先行訓練及び相対的な刺激の明瞭度の2つの要因を操作し、反応率が抑制されている状態で時間が学習されていても表出しない可能性を指摘した。去年度の計時行動の内的過程の検証実験から得られた結論を指示し、価値表象と時間表象の乖離を示した。この点においては、学習・行動・計時研究全体に有用な知見を提供した。 2)古典条件づけの研究から、ある刺激の連合可能性はその刺激が持つ予報価によって規定される。これに基づき、重要な学習理論が構築された。しかし、それらの理論は報酬の出現・不出現、つまり報酬予測誤差に重点を置いて発展されたものであり、時間次元に関する理解は不足している。本研究は、報酬の出現率を同程度に予告するが、報酬の出現時間に不確実性が高い刺激が「注意」を引き、予測誤差が大きくなることでより効果的に学習されたことを示唆した。時間の特性が動物の学習に与える影響を明確にした点は本研究の意義である。今後の研究において、時間特性を含む複合的な刺激次元が行動制御にどのように寄与するかをさらに探求するための基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、目標としていたデータの収集と分析を無事に完了し、行動実験は当初の計画通りの成果を得ることができた。これらの成果は、今後の研究におけるさらなる発展の基盤となる重要な知見を提供している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)得られた成果については、国内外の学会にて発表し、論文を執筆して国際学術誌に投稿する予定である。 2)今後は新たな行動実験と並行し、当初の計画した計時行動の神経基盤の検証実験を実施する予定である。
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