Elucidation of the mechanism by which cell chirality emerges left-right asymmetric morphogenesis at the multicellular level
Project/Area Number |
22KJ3145
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Project/Area Number (Other) |
22J01009 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石橋 朋樹 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 細胞キラリティ / 左右非対称性 |
Outline of Research at the Start |
近年,細胞キラリティという細胞極性が発見され,器官の左右非対称な形態を生み出すことが分かってきた.しかし,細胞キラリティが器官レベルの形態形成を生み出す自己組織化メカニズムはほとんど分かっていない.本研究は,細胞キラリティが,多細胞レベルの左右非対称性へ変換される自律的な仕組みを実験と理論の両面から理解することを目的とする.この目的を達成するため,明瞭な細胞キラリティを示す上皮由来培養細胞株をモデルとして,細胞キラリティ形成に必須の分子を網羅的に同定すると同時に,マクロな左右非対称性を生み出す細胞キラリティの時空間的パターンの解明を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,単細胞レベルの左右非対称性それぞれに影響を及ぼす薬剤のスクリーニングを行った.単細胞レベルの左右非対称性の指標には,単細胞で培養したときの核の回転速度を用いた.スクリーニングから,アクトミオシン細胞骨格制御系が単細胞レベル・多細胞レベル両方の左右非対称性形成に関わることを見出した. また,本研究に用いる細胞を多細胞状態で培養すると,時計回りの集団回転が起こるという画期的な発見があった.これまで,基盤のコーティングなしに多細胞で集団回転が起こる例は知られていない.また,上皮系培養細胞において,単細胞と多細胞で同時にキラリティを示す細胞としては,これが初めて発見された例となる.この発見は細胞キラリティ研究の進展に大きく寄与する可能性がある. したがって,当初の計画を変更して,多細胞キラリティについてもスクリーニングを行った.多細胞キラリティの指標としては,2細胞で培養したときの2核の重心をつなぐベクトルの回転速度を用いた.その結果,アクトミオシン細胞骨格だけでなく,微小管も多細胞キラリティに関与することがわかった. また,細胞骨格に関連するタンパク質を蛍光ラベルした細胞株を複数作出した.この細胞株のライブイメージング解析から,焦点接着斑と葉状仮足の形成が左右非対称であることを発見した.これに加えて,この左右非対称な焦点接着斑と葉状仮足の形成が,左右非対称な集団回転と有意に相関することを発見した.これは,焦点接着斑および葉状仮足が左右非対称が,集団スケールの左右非対称性を生み出す原因であることを強く示唆する. また,アクトミオシン細胞骨格・微小管・焦点接着斑をつないで多細胞回転を制御する因子として,CAMSAP3/ACF7が関与していることを見出した.CAMSAP3/ACF7をノックダウンすると,2細胞回転が有意に遅くなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
細胞キラリティ形成に必須の遺伝子群を2022年度から2023年度にかけて解明することを計画していた.計画していた阻害剤スクリーニングそのものは当初の予定と比較すると遅れている.しかしながら,中目的である細胞キラリティ細胞キラリティ形成に関わる遺伝子・タンパク質を複数同定できたという点では,当初の計画以上に研究が進展したといえる. また,本研究計画で大目的としていた多細胞キラリティを生み出す仕組みについては,多細胞シートそのものが集団回転するという発見があったため,実験系の構築が一挙に進んだといえる.また,多細胞回転に関わる遺伝子・タンパク質も複数同定できたため,やはり当初の計画以上の進展があった.
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Strategy for Future Research Activity |
本計画では,数理的に単細胞キラリティ・多細胞キラリティをモデル化することも中目的としている.2023年度以降は,数理モデルの開発を目指して研究を行う.モデル開発のためには,細胞キラリティに関与する分子群の挙動の詳細な理解が必要である.したがって,アクトミオシン・微小管・焦点接着斑のライブイメージングとその時空間的解析を進めていく必要がある.アクトミオシン・微小管・焦点接着斑のライブイメージング像については,すでに取得している.しかし,それぞれのシグナルが膨大にあるため,手動解析は困難になることが予想される.したがって,ディープラーニングを用いた自動解析システムを現在構築中である. また,細胞キラリティおよび多細胞キラリティについて,薬剤スクリーニングを引き続きおこなっていく.これは,多細胞キラリティまでを解析目標とするために,当初よりも進捗が遅れることが予想される.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)