Project/Area Number |
22KJ3152
|
Project/Area Number (Other) |
22J01550 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
矢部 卓也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子バイオ基盤研究部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 粒子線治療 / 飛程検証 / 二次電子制動放射線 / モンテカルロシミュレーション / 小動物イメージング |
Outline of Research at the Start |
粒子線がん治療では、患者体内に照射された治療ビームの軌跡を直接観ることができないため、治療ビームが腫瘍の位置に正しく照射されているかを確認することは困難である。本研究では「二次電子制動放射線(即発X線)計測法」を活用することで、粒子線治療中の患者体内線量分布をリアルタイムで可視化する技術を確立し、臨床応用への実現を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、二次電子制動放射線(即発X線)計測法を小動物研究に応用する目的で、ドイツに渡航した。ミュンヘン大学のKatia Parodi教授が主導するプロジェクト「SIRMIO(Small animal proton irradiator for research in molecular image-guided radiation-oncology)」に参加し、同大学が独自に開発した小動物照射プラットフォームを利用した即発X線の画像化実験を実施した。ミュンヘン大学、QSTイメージング物理研究グループとの共同で開発したピンホール型X線カメラにより、小動物用低エネルギー陽子線から発生する10-30 keVの即発X線信号を計測することに世界で初めて成功した。この成果は、今年6月に開催される粒子線治療分野の国際学会PTCOG62での発表を予定している(口頭発表で採択済)。 画像化実験と並行して、シミューション計算により、実際の粒子線治療における即発X線計測法の実現可能性を検証した。モンテカルロ計算コードPHITSを用いて、CTデータから患者体内の即発X線および陽子線線量分布をシミュレーションした。陽子線照射時に発生する即発X線の輸送計算を実施した結果、計測可能な量の即発X線が患者体内から放出されており、臨床現場での見える化の実現が十分可能であることを明らかにした。研究成果は原著論文として国際ジャーナルに投稿予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツへ渡航し、ミュンヘン大学との共同実験により、即発X線計測法の小動物研究への応用に向けた有望な実験結果を得ることができた。この成果は、粒子線治療分野の国際学会PTCOGでの口頭発表を予定している。さらに、シミュレーションにより、実際の陽子線治療における即発X線計測法の実現可能性を明らかにした。現在、研究成果をまとめており、原著論文として国際ジャーナルへの投稿予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度においても、ミュンヘン大学の協力の下、小動物照射プラットフォームによる画像化実験を行なう。開発したピンホール型X線カメラの感度をさらに向上させるとともに、バックグラウンド成分の低減に取り組み、即発X線のリアルタイムイメージングの実現を目指す。 また、患者体内中の即発X線シミュレーションには膨大な計算時間が必要であるため、大量のAI学習用データの作成が困難である。そこで、即発X線分布を解析的に高速に計算できるアルゴリズムを開発し、AI用学習データの効率的な生成を目指す。最終的には、即発X線画像から複雑な体内線量を推定できるAIモデルを構築し、治療計画装置で得られた実際の体内線量分布と比較することで、AIモデルの推定精度を評価する。
|