Project/Area Number |
22KJ3153
|
Project/Area Number (Other) |
21J01758 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
|
Research Institution | Hitotsubashi University (2022-2023) Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization (2021) |
Principal Investigator |
田中 李歩 (2021, 2023) 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任助教
|
Research Fellow |
田中 李歩 (2022) 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任助教
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | アスピレーション / マレーシア / 教育 / 就業 / キャリア / 学歴 / 社会階層 / 新興国 / 社会変容 |
Outline of Research at the Start |
マレーシアでは、多数派であるマレー系民族で学歴インフレ(学歴の価値の低下)が生じており、希望の進路からあぶれる人の増加により社会が不安定化しかねないように思われるが、実際のマレーシア社会は「安定」を維持している。このことには、マレー系の人びとが自らの進学・就職競争の結果に納得しあるいはそれを正当化する、「アスピレーション(進路に関する希望)の冷却」という過程が関連しているのではないかと予測される。本研究は、マレー系におけるアスピレーションの冷却とマレーシア社会の「安定」の維持との関連について明らかにしようとするものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究活動としてはまず、2022年度実施の調査から得られたデータについてより詳細な分析を行い、マレーシア若年層のアスピレーションの経年変化とキャリア形成およびその親階層との関係について知見を得た。当該調査中の記述式設問への回答から想定以上に豊富なデータが得られたため同種の調査を追加で行う必要はないと判断し、2023年度は角度を変え 職業に関する認識について問うオンライン調査を行った。これらの調査の結果に基づき2024年9月の日本教育社会学会大会にて発表を行うことを予定している。 また2023年度は現地調査が実施でき、マレーシアおよびシンガポールにおいて資料収集や現地研究者との意見交換、政府系機関の訪問等を行った。マレーシアの人びとのシンガポールへの移動によるキャリア展開について近年の調査の報告書をはじめ日本では入手できない情報を入手できたほか、職業・キャリアをめぐる状況やシンガポール現地の人びと・在星マレーシア人の考え方も一定程度把握でき、マレーシア人の移動先として、あるいは比較対象として、シンガポールとの関連で議論していく下地をつくることができた。 成果のまとめとしては、雑誌投稿用論文の執筆・英文校正を終え、投稿準備の最終段階に入っているほか、新興アジア諸国の社会階層に関する新たな研究会の発足に関わる等、研究テーマの多角化も含めてマレーシアの社会階層に関するこれまでの研究からの発展を図っている。 研究期間全体では、学歴インフレに関する考察ならびに 独自の調査によるマレーシアの人びとのアスピレーションの経年変化およびキャリア形成・キャリア認識の把握と社会階層との関連づけを通して、マレーシアそして新興国の社会階層に関する議論へ一定の貢献をもたらす研究となったと考えられる。
|