Project/Area Number |
22KJ3161
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Project/Area Number (Other) |
21J00985 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
永井 基慈 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 肝炎・免疫研究センター 消化器疾患研究部, 特別研究員(CPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 経口免疫寛容 / 栄養シグナル / 食事介入 / 組織修復 / 皮膚免疫 / 腸管免疫 / 制御性T細胞 |
Outline of Research at the Start |
アレルギー応答を制御する上で、炎症の発症を事前に抑制する「免疫寛容」と、炎症後の回復に関わる「組織修復」の両者を適切に誘導することが重要である。しかしながら、免疫寛容および組織修復に関するこれまでの研究の大半は、十分な栄養を与えられた実験動物を対象に行われており、食事性因子が果たす役割についてはほとんど分かっていなかった。そこで、本研究では絶食や特殊飼料などの食事介入を活用することで、免疫寛容の誘導・維持並びに組織修復の促進に対する栄養シグナルの重要性とその制御機構を明らかにし、食事介入による減感作療法の効果増強および新規アレルギー疾患の治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー応答を制御する上で、炎症の発症を事前に抑制する「免疫寛容」と、炎症後の回復に関わる「組織修復」の両者を適切に誘導することが重要である。しかしながら、免疫寛容および組織修復に関するこれまでの研究の大半は、十分な栄養を与えられた実験動物を対象に行われており、食事性因子が果たす役割についてはほとんど分かっていなかった。 本年度は、上記のうち「免疫寛容」の維持及び制御において食事性因子が果たす役割の解明を特に推進した。これまでに、マウスを用いた経口免疫寛容誘導モデルにおいて、食物抗原経口投与の直前の絶食が、免疫寛容の誘導を消失させ、食物アレルギー病態の悪化を招くことを明らかにしている。さらに、前年度までの研究から経口免疫寛容の誘導に重要な免疫細胞である抗原特異的な制御性T(Treg)細胞およびCD103陽性樹状細胞の細胞数が絶食によって腸管において減少すること、絶食後にCD103陽性樹状細胞のTreg誘導能も低下することを明らかにした。本年度は、絶食がCD103陽性樹状細胞の機能を低下させるメカニズムに着目した解析を行い、絶食に伴う樹状細胞の細胞内代謝変化が関与していることを明らかにした。また、免疫寛容を維持する上で重要な食事性因子の探索も実施し、食事由来の炭水化物並びに特定のアミノ酸が重要であることを新たに見出した。 本年度から食事性因子が「組織修復」において担う働きの研究も共同研究先である米国NIHにおいて開始した。食事介入が皮膚における組織修復に与える影響を網羅的に解析すべく、機械的に皮膚創傷を作成するBack-skin punch biopsyモデルを用いた評価実験系の確立を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「免疫寛容」の維持及び制御において食事性因子が果たす役割の解明: これまでに経口抗原投与直前の絶食が経口免疫寛容の消失をもたらすメカニズムとして、抗原特異的な制御性T細胞の増殖が抑制されること、この制御性T細胞増殖抑制の原因が、CD103陽性樹上細胞の細胞数減少と機能変化によることを明らかにしている。さらに、このCD103陽性樹上細胞の機能変化には絶食による細胞内代謝変化が関与していること明らかにした。並行して経口免疫寛容の誘導に重要な食事性因子の探索を行い、炭水化物並びに特定のアミノ酸が重要であることを新たに見出した。免疫寛容の誘導に重要な特定のアミノ酸を同定できたことにより、現在そのアミノ酸が免疫寛容の維持に担う役割について、当初の計画よりも詳細にそのメカニズムの探究ができるようになっている。現在、これらの細胞分子メカニズムの解析を進めており、これらのデータを取得次第、論文としてデータをまとめ、投稿する予定である。 「組織修復」の維持及び制御において食事性因子が果たす役割の解明: 現在、共同研究先であるNIHにおいて食事介入が皮膚における組織修復に与える影響の解析を行っている。こちらも、機械的に皮膚創傷を作成するBack-skin punch biopsyモデルによる評価系の確立が完了し、現在、カロリー制限、高脂肪食摂餌、ケトン体食摂餌、高繊維食摂餌等を用いて、組織修復に与える影響のスクリーニングを開始しており、概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
「免疫寛容」の維持及び制御において食事性因子が果たす役割の解明: 上述の通り、これまでに見出した経口免疫寛容の誘導に重要な食事性因子について、これらの因子が免疫系の制御において担う役割と、その細胞分子メカニズムの解明を目指す。また、これまでのデータをまとめ論文として投稿する。 「組織修復」の維持及び制御において食事性因子が果たす役割の解明: これまでに確立したスクリーニング系を用いて、各種食事介入が皮膚組織修復プロセスに与える影響の評価を行う。同時に、皮膚常在菌の感作による組織修復への寄与も並行して評価する。その後、フェノタイプが顕著であった食事介入実験系を用いて、栄養シグナルによる皮膚組織修復制御機構の解明を目指す。食事介入は、ストレス応答や表皮細胞膜の脂質成分変化、免疫細胞の代謝リモデリング、細菌叢変化等を介して組織修復に大きな影響を与え得る。創傷作成時から経時的に皮膚免疫細胞の動態および細胞代謝をフローサイトメトリーで観察するとともに、創傷周辺の神経新生、血管新生の評価を行う。また、皮膚細菌叢解析も実施することで、食事介入が組織修復に与える影響を包括的に解析する。神経新生に変化が見られた場合には、ライブイメージングによる神経系と免疫系の相互作用を直接観察、神経系の活性化レベルの評価を行う。皮膚細菌叢の関与が示唆される場合には、表皮におけるメタボローム・リピドミクス解析を実施し、食事介入が表皮細菌叢-表皮-皮膚免疫系相互作用に与える影響に着目した解析を進める。また、腸管免疫系の関与が認められた場合には、腸管における菌叢解析やメタボローム解析を組み合わせることで、腸管と皮膚の免疫系を介したクロストークの詳細な解析を実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] 食品免疫学辞典2021
Author(s)
編集 日本食品免疫学会 著者多数
Total Pages
496
Publisher
朝倉書店
ISBN
9784254431261
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