運動誘発性胃腸障害の発症メカニズムの解明:腸管免疫と消化吸収の相互作用に着目して
Project/Area Number |
22KJ3213
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Project/Area Number (Other) |
21J01602 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
近藤 早希 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヘルス・メディカル微生物研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 運動誘発性胃腸障害 / 消化管 / 大腸 / 消化 / 吸収 / 小腸 / 腸管免疫 / 消化酵素 |
Outline of Research at the Start |
長期間の持久的トレーニングは、糖質の消化・吸収機能を向上させ、消化管に対して好ましい影響を及ぼすが、一部のアスリートは腹痛や下痢などの消化器系のダメージ、すなわち運動誘発性胃腸障害と呼ばれる症状を呈することが知られている。腸管は消化・吸収の主要な器官であるだけでなく全身の免疫系制御の要としても機能するため、運動誘発性胃腸障害は、激しい運動による腸管免疫の低下とそれに伴う消化・吸収機能の適応の阻害が連動して引き起こされている可能性が考えられる。本研究では、腸管免疫と消化・吸収の相互作用に着目し、運動誘発性胃腸障害の発症メカニズムの解明および症状を改善させるための新たな栄養摂取法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
アスリートの多くは、長時間運動を行うことにより腹痛や下痢といった消化器系のダメージ、すなわち「運動誘発性胃腸障害」と呼ばれる症状を呈することが報告されているが、その詳細なメカニズムについては未だ解明されていない。本研究では、腸管において主要な役割を果たすとされている腸管免疫と消化・吸収機能の相互作用に着目し、運動誘発性胃腸障害の発症メカニズムの解明および症状を改善させるための新たな栄養摂取法の開発を目指すことを目的とし、研究を進めている。昨年度の研究により、単回の高強度走行運動を行った場合には、下痢や血便などの重度の消化器症状は認められないものの、腸管透過性が亢進し、それに伴い小腸粘膜固有層での免疫応答にも変化が生じる可能性が示唆された。 本年度は、栄養素の消化・吸収の場である消化管が運動によってどのような影響を受けるかについて検討することを目的としていた。そのため、消化管の運動性や消化・吸収機能の評価系について手技を習得すべく、オハイオ州立大学のDr. George Kyriazisのもとへ約1年間留学をした。運動が消化管運動性に及ぼす影響について検討するため、昨年度の研究と同様の高強度走行運動をマウスに行わせた直後に、消化管全体の通過時間を測定した。その結果、安静状態に比べて運動群では消化管全体における通過時間が遅延し、消化管運動性が低下する可能性が示唆された。次に、胃、小腸、大腸それぞれにおける通過時間を測定した結果、胃と小腸の通過時間には変化は認められなかったものの、大腸の通過時間は運動群で有意に遅延することが明らかとなった。したがって、単回の高強度走行運動を行った場合には消化管全体における運動性の低下が認められ、特に大腸の運動性が低下することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、オハイオ州立大学のDr. George Kyriazisのもとへ約1年間留学をし、消化管の運動性や消化・吸収機能の評価系について手技を習得することができた。それにより、単回の高強度走行運動を行った場合には消化管全体における運動性の低下が認められるということ、特に大腸の運動性が低下するという知見を得ることができた。したがって、研究は順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度には、消化管の運動性と腸管免疫細胞の変化の関連性についてさらなる検討を進める予定であり、留学で学んだ手技や知識を用いて運動誘発性胃腸障害のメカニズムの解明および症状改善のための栄養摂取法について明らかにしていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Oral administration of Blautia wexlerae ameliorates obesity and type 2 diabetes via metabolic remodeling of the gut microbiota2022
Author(s)
Hosomi K, Saito M, Park J, Murakami H, Shibata N, Ando M, Nagatake T, Konishi K, Ohno H, Tanisawa K, Mohsen A, Chen YA, Kawashima H, Natsume-Kitatani Y, Oka Y, Shimizu H, Furuta M, Tojima Y, Sawane K, Saika A, Kondo S, Yonejima Y, Takeyama H, Matsutani A, Mizuguchi K, Miyachi M, Kunisawa J
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 4477-4477
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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