Project/Area Number |
22KK0021
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
宮川 努 学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (10328669)
金 榮愨 専修大学, 経済学部, 教授 (50583811)
外木 好美 立正大学, 経済学部, 准教授 (10621964)
枝村 一磨 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20599930)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥19,500,000 (Direct Cost: ¥15,000,000、Indirect Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 生産性 / 無形資産 / トービンのq / トービンのQ |
Outline of Research at the Start |
欧米と日本、中国、韓国などの東アジア諸国の企業レベルデータを使って、その資産分類を共通化したうえで、無形資産を含む複数資産を前提とした投資関数を推計し、投資の調整費用を求める。 Brynjolfsson, Rock and Syverson (2021)にならって、この推計された投資の調整費用を無形資産の蓄積と考えると、この無形資産を含む生産関数を使った成長会計からは従来とは異なる全要素生産性の系列が導出される。一般的に全要素生産性は技術水準の代理変数なので、各国毎の全要素生産性の動きと特許データを使って国際間の技術伝播の状況を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画では、2023年度は2022年度に続き、各国の企業レベルのデータを整合性のある形で推計用に整理する作業計画であるため、6月に日本の作業チームでオンライン会議を開催し、資産の統一性などデータの整合性に関する議論を行った。これを踏まえ、8月初めにフランスチームとオンライン会議を行い、進捗状況を確認した。その際Bounfour教授から、組織資本の計測を行い、その付帯費用の推計作業を追加してはどうかという提案があり、新たにHulten and Hao (2008)の手法にしたがった企業レベルの組織資本の推計を行った。一方日本側は、データ構築後の各資産の投資調整費用の推計方法とその係数を利用したproductivity J-curveの推計方法について、フランス側へ説明を行った。 9月に宮川がパリへ行き、枝村氏がフランス側へ送ったデータを基にしたpreliminaryな推計結果を検討し、日本側でも同様の推計を行い、11月に日仏のオンライン会議を行い、互いの推計結果を確認した。また11月には宮川が、パリのUniversity of Paris-Saclayを訪問し、preliminaryなproductivity J-curveの推計結果について説明を行った。 以上の日仏間によるデータと推計の調整を済ませた上で、2024年3月に、Bounfour Univeristy of Saclay教授とポストドクターのAlberto Nonnis氏を学習院大学へ招へいし、小規模のワークショップを行った。この際、日本と西欧諸国のデータを使ったproductivity J-curveの推計結果を双方が提示し、その違いを検討した。また日本、韓国、中国のデータについては資産分類の差が大きいため、現在その調整過程にあることが報告されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の活動は、データ整備が主体であった。我々が利用するデータは、日本と西欧諸国については、Orbisデータセット、韓国と中国については、独自に収集した上場企業のデータである。このうちOrbisデータセットについては、資産分類が標準化されているため、比較的スムーズにデータ整理ができたが、韓国と中国については資産分類の差が大きく、データ整理が進捗していない。このため、まず日本と西欧先進国とのデータを使って推計を進める決断をした。 この決断によって、日本と西欧先進国(フランス、ドイツ、米国など)の推計は予定よりも早く進み、研究実績のところでも記載したように、2023年度中に日仏双方でproductivity J-curveの一時推計までにこぎつけている。したがってこの部分については、当初の研究計画より早く進捗していると言える。ただproductivity J-curveの推計に際して、元のTFP成長率を推計しておく必要があるが、これは組織資本を考慮した場合としなかった場合でことなるため、既存のデータベースのTFP成長率をそのまま利用するわけにはいかない。この点の考察は次年度に持ち越す課題となっている。 一方、韓国及び中国についてはデータ整備が当初の予定よりも遅れている。これは資産分類の細かさからすると、韓国>日本>中国となっているため、中国の資産分類をどのように韓国や日本のレベルに持っていくかを考えているためである。この問題はある時点で決断をして日本と韓国に焦点をしぼった分析に移行することも視野に入れる時期が近づいていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本格的にproductivity J-curveに至るまでの推計を行い。各国のproductivity J-curveの系列の相違点から得られるインプリケーションを元に、論文を執筆し学会報告につなげることを目指している。 まず、日本と西欧先進国との分析結果については、進捗状況の部分で説明した組織資本を考慮した場合とそうでない場合のTFP成長率の推計課題が残されている。これに関しては、双対性を利用して数量面のデータを利用してTFP成長率を計測するのではなく、価格面のデータを利用してTFP成長率を計測する方法を考えている。 この計測方法でproductivity J-curveが推計されれば、各国の特徴と相違点を踏まえた上で、論文を執筆することになる。論文の最初のヴァージョンは6月から7月頃の完成を目指しており、この時点で(独)経済産業研究所のディスカッション・ペーパーにするべくセミナーで発表することを予定している。このセミナーでの改訂を踏まえた上で、秋から様々な国際学会での報告を予定している。それと同時に学会誌への投稿準備も進める予定である。 一方、日本と韓国、中国のproductivity J-curveの推計については、資産分類を先行してる日本と西欧諸国の分類と異なることも許容したうえで、推計対象国をしぼり、推計にとりかかりたいと考えている。そして年度末までには、一時的なproductivity J-curveの推計にこぎつけることを目指している。
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