Project/Area Number |
22KK0058
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春日 郁朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20431794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (20253693)
鈴木 裕識 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20762272)
鈴木 仁人 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (70444073)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,020,000 (Direct Cost: ¥15,400,000、Indirect Cost: ¥4,620,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 薬剤耐性遺伝子 / ベトナム / 下水 / 薬剤耐性因子 / 未処理下水 |
Outline of Research at the Start |
ベトナムでは、薬剤耐性細菌による健康影響が社会問題になっているが、都市レベルでの薬剤耐性細菌の蔓延の全体像は不明である。そこで、本研究ではベトナムの都市下水中の薬剤耐性因子と抗菌薬を解析し、ベトナムにおける薬剤耐性因子の全容と抗菌薬使用の実態を明らかにする。また、未処理下水で汚染された農業用水、野菜類の調査を通して、未処理下水の環境放出が薬剤耐性因子の拡散や循環に及ぼす影響を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年9月にベトナムに渡航し、ベトナム側共同研究者と研究打合せ並びに採材、実験を実施した。前回に引き続き、ハノイ、ダナン、ホーチミンの都市下水を継続して採水し、基礎水質、大腸菌、セフォタキシム耐性大腸菌の計数を行った。都市下水に加えて、ハノイ近郊の養豚排水のサンプリングも実施した。試料からDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子を対象としたアンプリコンシーケンシングによる微生物群集構造解析を行ったところ、Arcobacterの優占が共通して観察された。また、薬剤耐性遺伝子のターゲットメタゲノムライブラリーの調製を進めた。今年度は、薬剤耐性菌、薬剤耐性遺伝子に加えて、下水中に存在するウイルスについても、下水サーベイランスの可能性を検討するために、磁性ナノ粒子を用いたウイルス画分の濃縮と全核酸(DNA, RNA)の抽出を実施し、メタゲノム解析に供した。その結果、SARS-CoV-2やポリオーマウイルスなどを検出することができた。抗菌薬解析については、固相抽出によって濃縮を行い、飛行時間型質量分析装置によるスクリーニング解析に着手した。抗菌薬以外の医薬品の存在状況も調査したところ、CaffeineやAzithromycinをはじめとした90種類近い医薬類を検出することができた。更に、日越下水道セミナーに参加し、ベトナムにおける未処理下水の排出が薬剤耐性菌の拡散や循環に及ぼす影響を日越の行政関係者と共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡航については予定通り実施できている。また、ベトナム側共同研究者との連携も十分に取れており、採材についても問題ない。メタゲノムライブラリーの調製方法の検討で時間を要したため、やや解析が遅滞しているが、問題点を特定しているため、今後は順調に解析が進められると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、ベトナムでの下水調査を継続する。特にハノイについては、現在建設中の下水処理場の稼働が今年度中に予定されていることから、ベトナム国建設省との情報交換を密にして、下水処理場運転前後の試料を採取できるように調整する。 また、これまでに得られたDNA試料については、High-throughput定量PCRによる薬剤耐性遺伝子の網羅的な解析を行い、薬剤耐性遺伝子やインテグロンの汚染状況を定量的に比較する。また、ハイブリッドキャプチャーによるメタゲノム解析では、ライブラリー調製時の投入DNA量が重要であることが昨年度の検討で明らかになったため、投入量に注意しながら調製を進め、網羅的な存在状況を明らかにする。 抗菌薬については、飛行時間型質量分析計を用いたサスペクトスクリーニングを継続すると共に、検出頻度の高い成分については、標品を購入して個別に検量線データを取得し、ターゲットスクリーニングによる半定量的な解析に着手する。
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