災害・気候変動対応策への投資と社会的脆弱性・地域復元力の関係解明:NY市を対象に
Project/Area Number |
22KK0066
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 25:Social systems engineering, safety engineering, disaster prevention engineering, and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井内 加奈子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (60709187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60401303)
大津山 堅介 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (50881992)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥19,890,000 (Direct Cost: ¥15,300,000、Indirect Cost: ¥4,590,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 災害・気候変動対策 / 社会的脆弱性 / 地域復元力 / ニューヨーク / 不動産価格 / 地域レジリエンス / 社会脆弱性 / 気候変動対策 / 災害対策 |
Outline of Research at the Start |
本国際共同研究では、2012年のハリケーンサンディの被災から10年が経過する米国ニューヨーク市を対象に、「復興や減災の計画・事業等の投資」と「社会的脆弱性」「地域復元力」の関係を探り、居住性・公平性・回復力・経済的活力のある地域形成への方策を探る。研究は、ハリケーンサンディ被災以降、気候変動の影響も相まってレジリエンス研究が活発なNY市のコロンビア大学とストーニーブルック大学の研究者らと行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
5年度にわたり実施する本研究の第2年目は、メンバー全員が1度以上ニューヨークに渡航し、共同研究者との研究枠組みの打ち合わせや、NYでの災害・気候変動対応の政治的・学術的環境の把握、定量的分析のためのデータ収集、また現地インタビュー調査にむけた対象コミュニティの検討を行った。 まず6月に、共同研究者が所属するコロンビア大学で開催されたManaged retreat conference 2023に出席し、近年、米国東海岸で計画・実施されている復興・減災投資に関係する情報収集と共に、関連研究の発表を行った。東海岸では特に過去10年、降雨量が劇的に増加し、本格的に洪水対策の対策が必要となったことや、ハリケーンサンディ被災地のbuyout事業を利用した住民移転の意義が再検討されていることを確認した。 11月の渡航では、NY市の復興・気候変動対応に関連した制度や活動をより詳細に理解するため、NY市(計画局、市長室、住宅復興局)や市の気候変動パネル(NY City Panel on Climate Change)に参加の研究者、NGO(Rebuild by Design)などへヒアリングし、過去10年の市の取り組みとその変遷、現状の活動状況についての情報収集を行った。 現在、定量分析(不動産価格変遷の解析)の枠組みの再検討や必要なデータと利用方法なども検討し、入手にむけて手続きを継続している。また、定性調査では、災害・気候変動対応と社会脆弱性の関係について、住民インタビューを実施して把握する計画になっている。インタビューを行う対象地域として、異なる社会経済的背景を持つ3沿岸候補地を選定し、現地踏査や住民にインフォーマルなヒアリングを実施した。また、収集したデータ・情報や現地の様子に基づき、作業仮説を再検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、NY市における空間評価と質的調査に向けて、近年の復興・減災投資に関係する情報収集を学会や政策関係者へのヒアリングを通じて行ったほか、定量分析に必要となるデータ入手にむけた取り組みを継続すると共に分析枠組みの再検討を行った。さらに、定性調査のために沿岸部の3候補地点を選定し、各地点で現地踏査や住民にインフォーマルなヒアリングを行ったほか、インタビューに含める質問項目を検討した。このように、量的・質的分析のアプローチについて、共同研究者と検討・改定しながら研究を進めており、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の3年目となる2024年度は、引き続き、2種類のアプローチで災害・気候変動対応策への投資と社会的脆弱性・地域復元力の関係について解明を試みる。まず、量的分析のアプローチとしては、①州によるBuy out事業、②住宅の嵩上げ事業、③市によるbuy outプログラム、④隣接した土地の購買プログラム、など、これらの異なるプログラムが土地価格に与えた影響を計測する。国勢調査データ、土地取引データ(Pluto)、洪水深度データなどを活用する。また、空間の変容についても分析を継続する。また、質的なアプローチとしては、調査対象候補に挙げている社会・経済的状況が異なる3地区でインタビューを実施することを念頭に質問表を作成し、住民へのインタビューを開始する。また、各地域の現在の空間形態の変遷差異について、上記4プログラムの活用の有無や選択の差異を検討することで、相関の有無を検討する。社会脆弱性と地域復元力との関連も考察する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)