Project/Area Number |
22KK0094
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 学 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (10374240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 啓太 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (40753306)
日尾野 隆大 北海道大学, 獣医学研究院, 講師 (00775819)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥19,890,000 (Direct Cost: ¥15,300,000、Indirect Cost: ¥4,590,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 抗ウイルス薬 / RNAメチル基転移構造 / 宿主因子 / 計算創薬 / 薬剤耐性 / RNAメチル基転移酵素 / RNAメチルトランスフェラーゼ |
Outline of Research at the Start |
申請者らはこれまで、インフルエンザウイルスの増殖過程において、宿主のRNAメチルトランスフェラーゼMTr1が重要な役割を果たしていることを明らかにした。本国際共同研究では、申請者らが独自に培ってきた計算創薬技術を基盤に、海外共同研究者がボン大学で構築してきたメチルトランスフェラーゼアッセイ系を強化・活用することで、MTr1を標的とした新たな抗インフルエンザウイルス薬の探索研究を加速推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルス等の分節型マイナス鎖RNAウイルスの多くは、増殖の際、感染宿主のmRNAからキャップ構造と短鎖RNAを盗み取って、自身のウイルスmRNAの合成を開始する(キャップスナッチング)。ごく最近、インフルエンザウイルスのキャップスナッチングには、宿主細胞のRNAメチル基転移酵素MTr1が関与していることが報告された。 本研究では、これまでMTr1ノックアウト細胞を作製し、インフルエンザウイルスの複製にMTr1が必須であることを明らかにした。また、MTr1阻害化合物を探索するため、MTr1の立体構造情報と計算機を活用し、既存薬ライブラリー(5,597化合物)のスクリーニングを行った。その結果、MTr1の酵素活性を阻害し、かつ種々のインフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を示す化合物として、天然化合物ツベルシジンを見出した。さらに115種類のツベルシジン誘導体の中からツベルシジンより毒性の低い化合物を探索し、最終的に抗インフルエンザウイルス活性を示す最も効果的なMTr1阻害化合物として、トリフルオロメチルツベルシジン(TFMT)を同定した。 本年度は、さらにツベルシジンとは異なる母核構造を有する阻害化合物の取得を目指し、市販の化合物ライブラリー約700万化合物を用いてバーチャルスクリーニングを実施した。さらにケモインフォマティクス解析により、実験で評価する化合物の優先順位付けを行った。順位の高い化合物を選抜し、現在in vitroで評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)今年度計算機で選抜した化合物の抗ウイルス効果を、培養細胞を用いて調べる。活性化合物に対しては、細胞毒性を評価する。 (2)種々のウイルスのmRNA転写に関わるタンパク質とレポータータンパク質のみを培養細胞で発現させるアッセイ系(ミニゲノム系)を日本国内で作製し、ボン大学でスクリーニングパッケージに適合させる。ボン大学のスクリーニングパッケージ(MTr1ノックアウト細胞、メチルトランスフェラーゼアッセイ等)を用いて、(1)で抗ウイルス活性を有した化合物の中から、MTr1を標的にしている化合物を選別する。また、MTr1ではなく、宿主の他のメチルトランスフェラーゼ(CAPAMやMTr2)を標的にしている可能性についても調べる。 (3)ツベルシジンとは異なる母核構造を有する阻害化合物の取得を目指し、スキャフォールド・ホッピングやDELスクリーニング等の手法も検討する。
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