Project/Area Number |
22KK0125
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 53:Organ-based internal medicine and related fields
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
水上 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30400089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 賢治 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (00736332)
河端 秀賢 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50548691)
小野 裕介 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, ゲノム診断研究部, 部門長 (40742648)
谷上 賢瑞 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任准教授 (90648627)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 膵癌 / クローン進化 / 前駆病変 / IPMN / cell-of-origin / 分子サブタイプ / 早期診断 |
Outline of Research at the Start |
膵癌前駆病変に見られる遺伝子異常の多様性と発癌過程で生ずる特異的分子情報を関連付け、小膵癌発見に資する分子診断の基盤情報を得る。本研究では、1)ヒト生細胞・組織リソースの共有、2)遺伝子改変マウスから得たオミクス情報のヒトへの転換、3)ゲノム編集技術を用いた細胞モデル、外科切除組織の多領域シーケンシングとトランスクリプトーム解析による時空間情報の統合を3本柱とする国際連携を強化し、ヒト膵癌の発生・進化ルートにおける分子ネットワークを再現することで、早期診断への足がかりを築く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、膵癌前駆病変に見られる遺伝子異常の多様性と発癌過程で生ずる特異的分子情報を関連付け、さらに発癌の起源細胞に着眼した膵癌分子サブタイプの決定機構の解明を日米の複数の大学間での連携の元に進め、小膵癌発見に資する分子診断の基盤情報を得ることを目的とする。 これまでに、各種変異を有する患者膵腫瘍由来初代細胞を用いて、膵癌のドライバー遺伝子であるKRAS及びGNAS変異を標的としたゲノム編集(変異の消去)を行った。さらに、不死化膵管上皮細胞(hTERT-HPNE: CRL-4023)を用いてKRAS及びGNAS変異をゲノム編集により導入し、これを膵癌前駆病変細胞(細胞進化モデル)として各ドライバー変異に関連する既知の下流経路の活性化をリン酸化抗体を用いたウエスタンブロッティングにて評価した。現在、後者を用いて複数の癌抑制遺伝子をノックダウンし、腫瘍形質の多様性の観点から検証を進めている。並行して非コードRNAやスプライスバリアントの変化を探索するためRNA-sequencingによる発現解析を行っている。また、これらの細胞モデルを用いてオルガノイド培養及び免疫不全マウスへの移植により増殖能の評価を行っている。 ヒト組織モデルにおいては、IPMN関連膵癌患者の外科切除材料(FFPE)を用いて空間発現解析を行い、遺伝子変異の分布との対比を進めている。さらに、膵腫瘍切除材料を用いて主病変(浸潤癌など)と一定の距離を置いて離れた肉眼的正常膵に分布する異形病変をマッピングし、各微小領域における遺伝子変異の分布から発癌素地の形成とクローン占拠域の拡大のパターン化を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度には、研究代表者(水上)と研究分担者(谷上)が、細胞モデル(patient-derived xenograftおよび患者由来細胞)の調整のためマサチューセッツ総合病変へ渡航した。2024年度には谷上は自身が獲得した国際共同研究強化(A)を財源に、マサチューセッツ総合病院Pancreatic biology laboratory(Dr. Liss)への渡航を予定しており、その準備のため月に一度のオンラインでの定例ミーティングを行い、今後、同ラボで取得した米国人膵腫瘍材料から得られたシングルセル解析のデータ分析のプランを固めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度にアップデートした細胞モデルを用いて、RNA-seqとATAC-seq解析のデータ統合による各種ドライバー変異が転写制御プログラムに与える影響についての解析を進める予定である。さらに、海外連携機関であるマサチューセッツ総合病院のDr. Lissと協議のうえ、細胞進化モデルにおいて既知の遺伝子変異とは独立したがん進化メカニズムを探索するためCRISPR screeningの導入を行う計画である。
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