Development of RNA-targeting drugs for hematopoietic neoplasms
Project/Area Number |
22KK0127
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 54:Internal medicine of the bio-information integration and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合山 進 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80431849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程 久美子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50213327)
山本 圭太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70899301)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | lncRNA / 骨髄系腫瘍 / NEAT1 / CRISPR/Cas13 / siRNA / 白血病融合遺伝子 / 脂質ナノ粒子 / 核酸医薬 / 白血病幹細胞 / CRISPR-Cas13 |
Outline of Research at the Start |
日本では高齢化社会の進展とともに医療費が増加し、これまでのように莫大なコストをかけて新薬を開発する方法は限界に達している。この状況を一変させる可能性を秘めているのが、核酸医薬である。核酸医薬は、一度プラットフォームが出来れば、がんの種類に応じた分子標的治療を容易にかつ自在に、しかも安価に行うことが可能となる。そこで本研究では、世界最大規模の白血病患者由来細胞ライブラリを保有するCincinnati Children’s Hospital Meical Centerと共同で、白血病原因RNAを標的とする画期的な核酸医薬の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle: LNP)などの新しいドラックデリバリーシステムを活用して、造血器腫瘍発症の原因となるRNAを直接標的とする治療法の開発を目指している。今年度は、白血病原因融合遺伝子RUNX1-RUNX1T1およびMLL-AF9をsiRNAやCRISPR-Cas13を用いて標的とする治療法の開発を試みたが、十分な治療効果を認めなかった。標的融合遺伝子のノックダウン効果が不十分であったことが原因と考えられ、現在siRNAやcrRNAのデザインにさらなる工夫を加えると同時に、複数のsiRNA/crRNAを同時に活用する方法など、新たな手法を開発中である。一方、造血器腫瘍を含む様々ながん細胞で高発現しているlong noncoding RNA (lncRNA)を標的とする治療法の開発も行い、パラスペックル構成lncRNAであるNEAT1を標的とするCRISPR-Cas13が、骨髄系腫瘍細胞の増殖を強く抑制することを見出した。またRNA-seq、RNA pull-downアッセイ、およびパスウェイ解析を行い、NEAT1を標的とするCRISPR-Cas13が核小体ストレスの誘導などを介して骨髄系腫瘍の増殖を抑制していることを明らかにした。さらに、crRNAのループ配列の最適化や複数のNEAT標的配列をつなぐというcrRNAの改良を行い、改良型crRNAがより強い細胞増殖抑制効果を示すことを確認した。そして、これまでに開発してきた複数の造血器腫瘍指向形LNPの導入効率を、様々な造血器腫瘍細胞株を用いて検討し、特に導入効率の良いLNPを同定した。今後は、このLNPにsiRNAやCas13/crRNAを内包したものを作製し、造血器腫瘍に対する治療効果を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白血病融合遺伝子標的療法の開発は想定以上に難航しており、これまでのところ、特異的かつ強い増殖抑制効果を持つsiRNAやcrRNAをデザインできていない。今後はデザイン方法をさらに工夫するとともに、対象とする標的分子を増やして対処する予定である。一方、lncRNA NEATをCRISPR-Cas13を用いて標的とする方法は予想以上に強い増殖抑制効果を示し、こちらについては当初の想定以上に進展があった。造血器腫瘍指向形LNPの絞り込みも予定どおり進んでいる。全体的にみて、研究は順調に進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果に基づき、相互に関連する以下の3つのプロジェクトを推進する。 (1) 白血病原因遺伝子標的療法の開発:今年度は融合遺伝子のみならず、一塩基置換を持つ白血病原因変異遺伝子(NRAS-G12Dなど)も対象として、白血病原因RNAを特異的に標的とする治療法の開発を行う。融合遺伝子や変異遺伝子を特異的かつ効率よく標的とすることのできるsiRNAもしくはcrRNAをデザインし、標的RNAを持つ造血器腫瘍細胞の増殖を特異的に抑制することのできる治療法を開発する。 (2) CRISPR-Cas13を活用したlncRNA標的療法の開発:昨年度はCRISPR-Cas13を活用したNEAT1標的療法が予想以上の治療効果を示したので、今年度はメカニズムの解明をさらに進める。まずRIP-Seqを行い、NEAT1標的Cas13が影響を及ぼすRNAを網羅的に解析する。また、siRNAやCRISPR-Cas9を用いたノックダウン実験を行い、この細胞増殖抑制効果がCRISPR-Cas13に特異的なものかどうかを検証する。 (3) 造血器腫瘍指向形LNPの改良:ヒト造血器腫瘍細胞を移植した免疫不全マウスにGFP-mRNAを封入したLNPを静脈注射で投与し、効率的な投与法を調べるとともに、生体内で最も効率良く造血器腫瘍にRNAを導入することのできるLNPを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)