Project/Area Number |
22KK0170
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
蔦谷 匠 (澤藤 匠 / 蔦谷匠) 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 助教 (80758813)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西内 巧 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (20334790)
福原 瑶子 (内田瑶子) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60779742)
田島 知之 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (60817534)
久世 濃子 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 協力研究員 (60437192)
|
Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | プロテオミクス / ゲノミクス / オランウータン / 人獣共通感染症 / 保全 / 糞 / メタゲノム / メタプロテオーム / 感染症 / 健康 |
Outline of Research at the Start |
動物の糞中に含まれる病原体、ストレス応答、生体防御関連のDNAやタンパク質を、最新のメタオミクス技術によって同定し比較することで、野生動物の健康状態やレジリエンスを評価できる。ヒトにもっとも近縁な大型類人猿の中で唯一アジアに生息し大きな保全価値を持つ野生オランウータンを対象とし、生態学調査とプロテオミクスに秀でた日本とゲノミクスに秀でたマレーシアの研究者が協働する。COVID-19によるエコツーリズムの停止を「自然の実験場」として、ヒトとの接触の程度が異なるふたつの時点を比較する。そして、人獣共通感染症の蔓延やその健康影響を可視化し、保全・疫学政策につなげる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は2023年5月および10月にサバ州に渡航し、海外共同研究者と打ち合わせを実施し、ダナムバレイにおいて野生オランウータンの調査を実施した。ダナムバレイにおいては、現地雇用のリサーチ・アシスタント(RA)が継続的にオランウータンの生態データを収集し糞を採取する体制が構築されている。また、2018年までにすでに収集済みとなっていた糞試料を2分したうちの半分を海外共同研究者に渡し、メタゲノム解析および微生物学的検討が実施されることとなった。すでに収集済みの糞の後半分については、サバ州からの正式な許可のもと、2023年3月に日本に輸出済みとなっている。 すでに輸出済みのオランウータン糞試料については、合計24点からタンパク質抽出処理を実施した。タンパク質の抽出プロトコルは研究代表者らが開発し出版した手法に従った(Tsutaya et al. 2021. Mol Ecol Resour 21:1808-1819)。抽出したサンプルのうちの一部は2023年度中にタンデム質量分析計でのプロテオミクスが実施できており、免疫や生体防御関連のタンパク質が豊富に同定できることを確かめている。残りの抽出済みサンプルについては2024年度中にタンデム質量分析計での分析を依頼する。 また、現地出身のオランウータン研究者を育成するため、マレーシア・サバ大学にてオランウータンの生態学についての研究で博士課程に在学する大学院生1名を1ヶ月間日本に招聘した。プロテオミクスに関する公知の研究の技術移転を実施するとともに、日本における霊長類学の研究について紹介し、ニホンザルなどの行動観察を実施し、日本の霊長類学者とのネットワーク形成を促進した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地RAを主体とした調査地でのサンプル採取は順調に継続できている。すでに輸出済みの糞試料24点についてはプロテオミクスのための前処理が完了し、2024年度中にそれらの分析結果がそろう予定である。海外共同研究者との連携も緊密になされており、微生物学的解析を実施中であると聞いている。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに輸出済みであるCOVID-19以前の糞についてプロテオーム分析を完了させる。また、海外共同研究者によるメタゲノム分析も開始する。 あわせて、COVID-19後の糞について輸出手続きを開始する。許可が降りしだい日本への輸出を実施し、プロテオーム分析を日本で、メタゲノム分析をサバ州で実施する。 日本に短期招聘した大学院生と定期的に研究打ち合わせを実施し、分析結果を論文化する。場合によっては再度日本に招聘し、現地若手研究者の人材育成を図る。
|