Project/Area Number |
22KK0171
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐澤 和人 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (80727016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 隆浩 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (20714489)
細木 藍 富山大学, 学術研究部理学系, 特命助教 (30748835)
斎藤 健 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (40153811)
倉光 英樹 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (70397165)
藏崎 正明 北海道大学, 地球環境科学研究院, 客員研究員 (80161727)
三原 義広 北海道科学大学, 薬学部, 講師 (90733949)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | 森林火災 / 泥炭火災 / 煙霧 / 酸化促進物質 / 生態毒性 |
Outline of Research at the Start |
本国際共同研究は、「インドネシア共和国における森林火災時に泥炭層から発生する煙霧粒子内の水溶性成分の化学的特性と生態リスク、および、その原因物質の特定」を研究目的とし、インドネシアの研究員協力のもと行うフィールド調査、および、日本国内における室内実験から解明することを目指す。本研究では「泥炭地における火入れ実験」、「現地で発生しているヘイズの捕集と河川水質のモニタリング」、「実験室内における泥炭の加熱実験」を実施し、これらの実験により得られた煙霧粒子を分析する。火入れ実験やヘイズの捕集は現地研究員と打ち合わせの上、実験区を設け実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に「実験室内における泥炭の加熱実験」「現地で発生しているヘイズの捕集と河川水質のモニタリング」について研究を遂行した。インドネシア共和国で採取した未火災地の泥炭を管状炉内において、標準空気または窒素ガスを流し、加熱した。各温度での加熱後にフィルターを交換し、異なる温度で発生した煙霧粒子を捕集した。煙霧粒子を捕集したフィルターを超純水またはリン酸緩衝液に浸漬し、30分間超音波を照射することで水溶性成分(WSM)抽出した。煙霧粒子のPBS可溶画分を暴露した時の細胞に対する毒性および酸化ストレスをラット副腎髄質褐色細胞腫(PC12細胞)を用いたトリパンブルー色素排除法、ROSアッセイから評価した。WSMをPC12細胞に暴露した時の生存率は、最大で46%まで低下した。各重金属濃度との関係性を評価した結果、Zn濃度との間に相関が観察され(r = -0.82, p < 0.05)、細胞毒性に寄与する金属種が明らかとなった。ROSアッセイから、WSMを暴露した細胞は、PBSのみを暴露した細胞よりも蛍光強度が1.2~1.6倍増加した。これは、泥炭を起源とする煙霧粒子が生体に酸化ストレスを引き起こすことを示している。 インドネシアに渡航し、現地の研究員との打ち合わせの上、未火災地、火災跡地の泥炭を採取した。ヘイズの捕集はミニポンプとフィルターを持ち込み、行うことにした。本年度は渡航前に泥炭火災が発生しておりヘイズの捕集が期待できたが、渡航前日に降雨が発生した。そのため、渡航期間中にヘイズの捕集を何度か試みたが十分な量を得ることができなかった。また、未火災地、火災跡地周辺の河川水を採取し、基本的な水質項目と金属イオンについて分析を行ったが、火災による影響は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室内における泥炭の加熱実験を行い、煙霧粒子から溶出する水溶性成分の生態毒性と酸化ストレスを明らかにした。また、その原因物質が特定の重金属であることを示すことができた。現地に渡航し、現地研究員との打ち合わせの上、調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は再度、共同研究者とともにインドネシア共和国カリマンタン島に渡航し、パランカラヤに約2週間滞在する。渡航時期は泥炭火災が発生する8月下旬から9月を予定する。現地滞在中は大気粒子の捕集を日中、夜間にハイボリウムエアサンプラーによって行う。また、森林火災の発生が確認できた際はヘイズの捕集を同様に行う。加えて、パランカラヤ市内を流れる主要河川で水試料を採取し、化学分析と毒性試験を行う。 また、煙霧粒子の水溶性成分がPC12細胞に対して酸化ストレスを有していることが明らかとなったため、その原因物質の特定を試みる。、PAHsとその誘導体、特に酸化促進物質として知られるキノン体PAHsについてGC/MSとLC LC-MS/MSで定性・定量する。
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