Project/Area Number |
22KK0210
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Chuogakuin University |
Principal Investigator |
坂井 亮太 中央学院大学, 法学部, 准教授 (20735386)
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Project Period (FY) |
2023 – 2025
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
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Keywords | 政治理論 / 民主主義 / 認識的デモクラシー論 / 数理モデル / システマティック・レビュー / ロバストネス分析 / 多様性が能力に勝る定理 / 熟議 / 集合知 / 認識的民主主義 |
Outline of Research at the Start |
会議には誰が参加するべきか。これまでの研究(基課題)において実施した集合知の数理モデル分析を通じて、会議の最適な参加者構成は課題の予測可能性によって決まることが明らかになった。政治理論の領域では、集合知論によって民主主義と公共政策を結びつけ、政策過程への市民参加を一層促進する可能性が拓かれつつある。 本研究では、基課題の集合知の数理モデル分析の成果を、海外共同研究者が行ってきた集合知を用いた民主主義理論に組み込むことで両者を接合させる。共同研究を通じて、会議・審議会・熟議に誰を呼ぶべきかという社会的関心が高い課題に、数理モデル分析を通じて最適な答えを提示できる未来を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主な研究実績は(1)学会機関誌での査読論文の掲載、(2)学会機関誌での招待論文の掲載、(3)翻訳書の出版、(4)国際学会報告に分かれる。 (1)日本政治学会の機関誌に、査読論文「政治理論における想像力と実現可能性の両立:モデルの哲学を参照した両立策の提示」『年報政治学』(2023-Ⅱ)、2023年を公表した。この論文では、研究課題のテーマである集合知のモデル分析をもとに、政治理論における集合知のモデル分析の手法が政治理論に対してもつ意義を明らかにした。 (2)日本公共政策学会機関誌に、招待論文「公共政策学に接近する政治理論 : 熟議民主主義とミニ・パブリックスの実践から学ぶ」『公共政策研究』(23)、2023年を公表した。本稿は、政治理論が規範概念をモデルや制度構想へと翻訳することにより、公共政策への接続回路を拓かれると指摘し、2024年度の公共政策学会の学会賞(論説賞)を受賞した。 (3)OECD刊行の『世界に学ぶミニ・パブリックス』学芸出版社、2023年を共訳書として出版した。 (4)国際学会報告として、①欧州政治学会 ECPR 2023(2023年9月7日)において英語報告"The third way: a reconciliation of politicalimagination with political feasibility through a multiple-models idealisation approach"を実施した。②Asian Network for the Philosophy of the Social Sciences (2023年6月23日)において英語報告"Philosophy of models reconciles imagination with feasibility in political theory"を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、Yale大学の研究者との国際共同研究を渡航前にオンランで進展させることが出来た。そのため、研究はおおむね順調に進展しているといえる。 本研究プロジェクトでは、① 理論研究フェーズ、② 政策類型ごとの予測可能性のレビューのフェーズ、③ 検証フェーズ、④ 成果投稿フェーズに分けて研究を進めていく。2023年度は、このうち②政策類型ごとの予測可能性のレビューのフェーズを、渡航前にスタートさせることが出来た。このフェーズでは、政策類型(政策テーマの種類)と政策の予測可能性についての研究群のシステマティック・レビューを実施することを計画していた。その作業の一部分を開始することが出来た。 2023年度の後半から、本研究課題があつかう認識的デモクラシー論研究において世界的に著名な研究者であるアメリカのYale大学の研究者と定期的にオンラインミーティングを行い渡航前から共同研究を進めることが出来た。 加えて、2023年度は、①の理論研究フェーズの成果として、学術論文の公表、翻訳書の出版、国際学会報告を行った。そのため、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年11月に、アメリアのニューオリンズで開催されるPhilosophy of Science Associationの国際学会において、Yale大学の共同研究者と共同で研究報告を行う予定である。これをもとにして、国際共著論文を執筆し査読誌に投稿する予定である。 これを1つ目のマイルストーンとして、国際共同研究を進めていく。そのために、2023年度から開始した定期的なオンラインミーティングを継続し、渡航前に共同研究を進めていく。
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