Dynamical analysis of foliated structure in free boundary problems
Project/Area Number |
22KK0230
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野寺 有紹 東京工業大学, 理学院, 准教授 (70614999)
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Project Period (FY) |
2023 – 2025
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
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Keywords | 自由境界問題 / 非線型解析 / 発展方程式 / 葉層構造 |
Outline of Research at the Start |
過剰決定問題を含む自由境界問題は,可解性を有する領域の分類,安定性,分岐現象において極小曲面論や非線型楕円型方程式の安定解理論と類似の構造をもち,近年研究の重要性が分野横断的に広く認識され,活発な研究活動が行われる一大分野を形成している. 本研究では,Bernoulliの自由境界問題において重要な未解決問題であるFlucher-Rumpf予想の解決を目標に,当該分野の研究が盛んなイタリアやフランスでの長期滞在を通して集中的に研究計画を遂行する.また,欧州における研究グループと国際ネットワークを構築し,我が国の当該分野におけるプレゼンスを高め,人的交流を含めた国際研究交流の礎を造る.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はBernoulliの自由境界問題において重要な未解決問題であるFlucher-Rumpf予想の解決を目標に,当該分野の研究が盛んなイタリアでの長期滞在を通して集中的に研究計画を遂行する.また,欧州における研究グループと国際ネットワークを構築し,我が国の当該分野におけるプレゼンスを高め,人的交流を含めた国際研究交流の礎を造ることも目的である. 過剰決定問題を含む自由境界問題は,可解性を有する領域の分類,安定性,分岐現象において極小曲面論や非線型楕円型方程式の安定解理論と類似の構造をもち,近年研究の重要性が分野横断的に広く認識され,活発な研究活動が行われる一大分野を形成している.本研究では,従来の解析手法である優解劣解法,変分法,陰函数定理といった古典的な非線型解析の適用が困難である解の不安定性および正則性損失を構造的に内包するBernoulliの自由境界問題に対し,放物型方程式理論に基づく陰函数定理および力学系理論による革新的解析手法を確立し,Flucher-Rumpf予想とよばれるRobin函数の非退化極小点に集中する層状構造をなす自由境界の一径数族の存在を証明することである. 当該年度は,本国際共同研究遂行の準備のための情報収集を行い,次年度以降の共同研究遂行のためMagnanini氏とオンラインの打ち合わせを継続的に行なった. 一方,Bernoulliの問題と同様に正則性損失構造から従来解析が困難だった地球物理学における数理モデルであるBackus問題に対し,双極子解の摂動問題を考察し成果を得た.実際,ヘルダー空間では正則性損失が起こり得るが,非線型項の特別な形から,重み付きシャウダー評価によって不動点定理が適用できることを発見した.本研究成果については微分方程式の専門雑誌へ掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は実質的には準備期間であるが,次年度の国際共同研究に向けて順調に準備を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
幾何解析や凸解析,調和解析の研究で著名なフィレンツェ大学を中心に在外研究を行う.具体的な研究計画としては,Rolando Magnanini氏(フィレンツェ大学)と境界条件の摂動に対する自由境界の形状の安定性について定期的に研究打ち合わせを行い,Bernoulliの自由境界問題に対する自由境界の集中現象に関するFlucher-Rumpf予想における自由境界の極限形状について研究を推進する.また,Magnanini氏とは積分恒等式を用いたより一般の過剰決定問題に対する安定性解析についても研究を行う.また,必要に応じて,スペクトル幾何で著名なAntoine Henrot氏(Elie Cartan研究所)や力学系解析で著名なSusanna Terracini氏(トリノ大学)と共同研究を進める.さらに,国内外の研究集会に参加し,情報収集を行う.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)