Identification of responsible oxidized lipids in ferroptosis triggering and development of the prevention with food functional ingredients
Project/Area Number |
22KK0253
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 隼哉 東北大学, 農学研究科, 助教 (50781647)
|
Project Period (FY) |
2022 – 2024
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥15,340,000 (Direct Cost: ¥11,800,000、Indirect Cost: ¥3,540,000)
|
Keywords | フェロトーシス / 脂質化酸化 / LC-MS/MS / 過酸化脂質 / 食品機能 |
Outline of Research at the Start |
本国際共同研究では、生命事象として未解明な部分の多い脂質酸化依存性細胞死であり種々の疾病にも関与するフェロトーシスの発生機序の解明を目指す。具体的には、質量分析(LC-MS/MS)を用いた酸化脂質の詳細解析(ターゲット解析)と網羅的解析(オミックス解析)を融合させ、海外共同研究先が有するフェロトーシス病態モデル動物・細胞を用い、フェロトーシス研究における解決すべき最重要課題である、フェロトーシス発動における脂質酸化メカニズム・責任脂質酸化物を同定する。さらに、食品機能成分を活用して酸化メカニズムに応じた効果的な予防・治療法の開発へと発展させる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基課題で活用した質量分析法(LC-MS/MS分析法)による生体内の脂質過酸化メカニズム解析を応用し、生命事象として未解明な部分の多い脂質酸化依存性細胞死であり種々の疾病にも関与するフェロトーシスの発生機序の解明を目指すとともに、食品機能成分を活用した新たな予防・治療方法の構築を目指す。具体的には、過酸化脂質の構造情報を反映する解析情報を得ることを可能とした、我々のLC-MS/MSによる酸化脂質の詳細解析(ターゲット解析)と網羅的解析(オミックス解析)を融合させ、新たな“酸化脂質ターゲット×オミックス解析法”を構築する。本技術により、例えば現状のオミックス解析では判別が困難な酸化脂質分子を詳細に解析でき、その酸化メカニズムをも評価することが可能となる。そして本解析法と海外共同研究先が有するフェロトーシス病態モデル動物・細胞を用い、フェロトーシス研究における解決すべき最重要課題である、フェロトーシス発動における脂質酸化メカニズム・責任脂質酸化物を同定する。これらの解明・同定は、食品機能成分による予防法の構築に極めて重要であるとともに、関連遺伝子・タンパク質発現の推定につながる。さらに、食品機能成分を活用して酸化メカニズムに応じた効果的な予防・治療法の開発へと発展させ、食品機能成分による効果的なフェロトーシス抑制を目指す。以上より、本研究は、生体脂質酸化の全貌解明につながり、フェロトーシスを含む関連病態の解明や食品機能成分による予防・治療方法の構築へと発展が期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題解決に不可欠な解析ツールとして、独自で新しい“酸化脂質ターゲット×オミックス解析法”の構築に取り組んだ。具体的には、我々の独自LC-MS/MS法を更に改良・駆使し、現状のリピドミクスを一層向上させ、酸化脂質の解析精度の向上を目指した。LC-MS/MS分析時にアルカリ金属イオンを用い、過酸化脂質の構造情報を反映する解析情報を得ることを可能とした過酸化脂質のターゲット分析法を、オミックス解析に応用した。本法の大きな特徴は、酸化脂質の構造情報解析から酸化メカニズムの推定が可能な事である。脂質は酸化メカニズム(ラジカル、酵素、一重項酸素)により生じる酸化脂質の構造が異なるが、従来はこの僅かな構造の違いを捉えることは困難であり、この解析を達成したのが我々のLC-MS/MS法である。本技術により、例えば現状のオミックス解析では判別が困難な酸化脂質分子を詳細に解析でき、その酸化メカニズムをも評価することが可能となる。さらに、解析結果をもとに、2023年度には寄与率の高い酸化脂質分子を同定し、ターゲット分析により定量解析を実施する。さらに、渡航に向けた準備を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年度に引き続き、酸化脂質ターゲット×オミックス解析法のさらなる高度化を図るとともに、渡航先にて、フェロトーシス発動における脂質酸化メカニズム・責任脂質酸化物の評価・探索を実施する。具体的には、酸化脂質ターゲット×オミックス解析法を、渡航先が有する多様なフェロトーシスモデル細胞・動物に応用し、フェロトーシスを誘導する酸化メカニズムを明らかにする。メカニズムの解明は、そして、メカニズムの解明とともに重要な、フェロトーシスにおける責任脂質酸化物を探索する。フェロトーシスの発現には、膜リン脂質由来の酸化物が特異的脂質であると報告されているが、直接的な責任脂質酸化物の因果の証明はいまだに明らかでない。すでにこれまでの研究で、酸化脂質の種類の違いがフェロトーシス誘導に大きな影響を与える可能性を見出しつつあるため、これら酸化脂質を個別に細胞へ処理し、フェロトーシス発動時の細胞内酸化脂質プロファイルを比較する。さらに、各酸化脂質が下流の脂質酸化へ与える影響も比較し、フェロトーシス発動時と相関性の高い脂質酸化種を同定する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)