| Project/Area Number |
22KK0279
|
| Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
| Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中釜 悠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60846880)
|
| Project Period (FY) |
2023 – 2025
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
|
| Keywords | シャーガス病 / COVID-19 / 母子感染 / 宿主病原体相互作用解析 / 熱帯アメリカ / 新興・再興感染症 / 免疫疫学 / 血清疫学 / 周産期感染症 |
| Outline of Research at the Start |
申請者は、自ら実施する若手研究において高次免疫解析系(抗体力価動態、エピトープ、アビティディ成熟、リンパ球ポピュレーション)を準備し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における宿主応答の多角的評価を推進している。基課題から通底する「病原体への宿主応答を反映した『高次免疫指標』が、感染の成立や症状重篤化を制御する」との仮説が、より広く感染症危機対応の文脈へと普遍化できることを、熱帯アメリカ地域を流行の震源地とする新興・再興感染症(COVID-19・シャーガス病・ジカ熱等)をモデル疾患に、実証する。臨床アウトカムと、多パラメータ免疫指標とを突合し、感染成立や重篤化の規定因数を解明する。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
中米・米国南部に特徴的な新興・再興感染症に関する疾患コホート研究を、昨年度までに選定した試験サイトにて、承認済み研究計画に基づき推進した。免疫介在性の疾患重症化機序に特に着目し、ヒト資料のex vivo解析および病態モデルのin vitro検証実験を並行して行った。 COVID-19研究では、エルサルバドル人497名対象の横断研究から、特定リスク行動がCOVID-19曝露頻度と関連することを明らかにし、現在学術論文投稿中である。また、Tixagevimab/Cilgavimabに対する抵抗性変異株の出現に伴い、市販後リアルワールドデータから多数のブレイクスルー感染事例を検出し、論文として受理された。 シャーガス病研究では、エルサルバドル人200名疾患コホートから、重篤化を規定する臨床指標を特定するとともに、心筋-マクロファージ連関による病態進展機構を細胞実験で証明した。ベクター解析では、全国から採取した吸血性昆虫1,376匹のうち9.8%がクルージ陽性であり、陽性個体の67%からヒトDNAを検出し、ヒト感染への活発なベクター寄与を示唆するデータを得た。 母子感染症研究では、B型肝炎ウイルスの家族内伝播を対象に、preS/S配列解析により母子感染が疑われる症例を特定し、分子疫学手法を確立した。その他、シャーガス病罹患母体からの出生児における全身炎症評価系の確立に着手した。 さらに今年度から、南米コロンビアの大学研究者との連携により、シャーガス病モデル動物を用いた疾患バイオマーカー再現性検証にも着手した。疾患コホート解析と新規共同研究体制の双方が順調に進展している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19研究として、エルサルバドル人497名を対象とした横断研究により、特定リスク行動がCOVID-19症状発現と有意に関連することを示し、現在学術誌に投稿中である(Recinos D, Nakagama Y, et al.)。また、Tixagevimab/Cilgavimabに対する耐性変異株の影響により、免疫不全患者において多くのブレイクスルー感染例が認められたことをリアルワールドデータから明らかにし、論文が受理された(Inoue K, Nakagama Y, et al.)。 シャーガス病研究では、エルサルバドルの患者200名からなるコホート解析により、持続原虫血症、特異抗体価、心臓検査所見、治療歴が重篤化リスク因子であることを示唆するデータを得た(Nakagama Y, et al.)。細胞実験では、液性因子を介した心筋-マクロファージ連関が病態進展に関与することを証明した(Nakagama Y, et al.)。また、全国規模のベクター調査で1,376匹を採取し、9.8%がクルージ陽性であり、陽性個体の67%からヒトDNAが検出された(Michimuko-Nagahara Y, Nakagama Y, et al.)。 母子感染症研究としては、B型肝炎ウイルス陽性家系15件のパイロット解析を実施し、preS/S領域の相同性解析から母子感染が強く疑われる家族内伝播を検出した(Cindibu-Kalonji F, Nakagama Y, et al.)。また、シャーガス病罹患母体からの出生児における炎症指標評価系も構築中である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
COVID-19研究は、過去年度中に順調に推進した。今後はシャーガス病コホート研究の発展により注力する計画である。そこで、シャーガス病の治療前後におけるバイオマーカー動態を縦断的に解析する観察研究計画を立案した。本研究では、保健省、医療機関と協力し、コミュニティスクリーニングを実施し、治療ナイーブな感染疑い例を農村部から新たに同定する。医療機関での確定診断後、抗トリパノソーマ治療を受けた患者から血液・唾液・尿などの生体試料を採取し、治療前後における分子免疫指標の多面的な検討を予定する。解析では、病原体のPCRクリアランス、血中サイトカイン濃度や抗体価の変化、組織障害関連指標(NT-proBNP、トロポニンなど)、心筋機能(Global Longitudinal Strain:GLS等)を治療効果の評価項目とし、バイオマーカー応答パターンに基づく患者層別化を行い、治療反応性予測モデルの構築を試みる。また、コロンビアと共同で推進するシャーガス病動物モデルを用いて、疾患の罹患臓器における網羅的遺伝子発現パターンを理解する。
|