次世代シークエンス技術導入によるアフリカを中心としたダニ媒介性感染症研究の新展開
Project/Area Number |
23255016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 海外学術 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 喜一 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (80322147)
中村 一郎 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 講師 (20374241)
阿部 貴志 新潟大学, 工学部・情報工学科, 助教 (30390628)
桜井 達也 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 助教 (60547777)
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Project Period (FY) |
2011 – 2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
Fiscal Year 2011: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
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Keywords | 人獣共通感染症 / マダニ / ゲノム / アフリカ / 原虫 |
Research Abstract |
国内(宮崎県、北海道)、オランダ、ガンビアでマダニ7種を採取し、メタゲノム解析を実施した。手法は、虫体を洗浄、破砕後、界面活性剤処理し、2種の孔径のフィルターでろ過し、細菌を濃縮した画分をDNA分解酵素処理して、宿主ゲノムDNAを除去した。その画分からDNAを精製し、全ゲノム増幅後、次世代シークエンサー(454FLX)で塩基配列を決定した。そのうち、300bp以上の断片を自己組織化マップ(BLSOM)法により分析し、DNA断片が由来する細菌の分類群の同定を行った。その結果、50%以上の配列が細菌由来と同定され、属レベルまでの帰属を明らかにすることができた。これと並行して、マダニホモジネートから精製したDNAを用いて細菌16Sリボソーム遺伝子の一部をPCRで増幅し、その産物を次世代シークエンサーで解析し、細菌16Sリボソーム遺伝子データベースに対してBLAST検索し、種同定を行った。 いずれの解析結果においても、保有細菌叢が1)種間、2)同一種の雌雄間、3)採取地域で差があることが明らかとなった。また、BLSOM解析で人に対して病原性を有すると考えられる種を含む細菌属(Rickettsia, Chlamydia, Francilella, Leptospira等)が検出された。今後、どのような病原体が含まれるのか種レベルまで同定する必要がある。 また、ザンビア、マレーシアの動物血液ならびにマダニDNAを用いてQ熱病原体(Coxiella burnettii)の保有状況を調査した結果、高率に本病原体の遺伝子が検出できた。その他のマダニ媒介性病原体のスクリーニングでは、人獣共通感染症の病原体となる種は検出できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界各地の共同研究者(オランダ、ガンビア、カリブ、南ア、マレーシア)の協力により、マダニ試料(DNA)を得ることができ、これらを用いた解析に着手できた。また新たな技法によるマダニ保有細菌叢の網羅的解析手法を確立することができ、その有用性を検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
分離地、対象種を拡大して収集する必要がある。またウイルスに関しても解析する手法を開発する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)