タウ重合に必須なCH-π相互作用阻害剤の開発:認知症治療薬開発の基盤研究
Project/Area Number |
23590138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Drug development chemistry
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
石田 寿昌 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (00111021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友尾 幸司 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70257898)
尹 康子 大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (50257896)
箕浦 克彦 大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (10278591)
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2011: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | タウ蛋白質 / 微小管結合ドメイン / 重合抑制 / 阻害剤 / 抗体 / 抑制機構 / 構造解析 / C-H…π結合 |
Research Abstract |
微小管結合タンパク質tauの重合体はアルツハイマー型認知症(AD)の原因構造物の一つである。tau分子中の相同性の高い約30アミノ酸配列が3回(R1-R3-R4)または4回(R1-R2-R3-R4)繰り返したMBD (Microtubule Binding Domain)はtauの微小管結合に重要である一方、自己重合に関与している。よって、MBDの自己重合機構の解明とその阻害分子の開発はAD治療や予防に有効である。これまでに明らかにした研究成果の概要を以下に述べる。 タウ蛋白質の自己凝集機構の解明:(1)ランダム構造の可溶性MBDはpHやリン酸化等の環境変化で、R2-R3領域が両親媒性のβシート構造やα-ヘリックス構造に変換され、それが起点となって自己重合が開始され、最終的にシート様繊維構造になること、(2)R3中のTyr310残基はタウ重合の中核をなすこと、(3)Tyr310残基はtauの微小管構造の安定に重要であること、(4)Tyr310-Ile308側鎖間のCH…π相互作用は重合に不可欠で、それは^<306>VQIVYK^<311>配列の平面構造に起因することを明らかにした。 タウ蛋白質の重合阻害物質の開発:(1)天然阻害分子の探索:食品からの凝集阻害物質探索の結果、ポリフェノール成分のうちcyanidinに強い抑制効果を、類似のcatechinやepicatechinに阻害効果のないことを、同様な構造-活性相関はフェノチアジン骨格を有する化合物も成立することを明らかにした。また、阻害活性はこれら分子の平面構造とタウMBDの^<306>VQIVYK^<311>配列の平面構造との相互作用に起因する可能性を示唆した。 (2)R2認識抗体とVQIINK複合体のX線構造解析:MBDのR1 C-末端からR2のN-末端領域の^<272>GGKVQIINKKLDL^<283>配列を認識するTau2r3抗体を単離精製し、それはタウおよびMBDの重合を完全に阻害することを明らかにした。ついで、その認識様式を原子レベルで解明するため、そのFabフラグメント(Fab2r3)として精製し、エピトープ断片であるVQIINKペプチドとの複合体の結晶構造解析に成功し、その阻害メカニズムを初めて明らかにした。現在、この知見に基づき、新規阻害分子の開発に取り組んでいる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)