自己免疫性肝疾患発症に関わる肝内炎症惹起性の肝・脾多段階的免疫寛容誘導破綻の解析
Project/Area Number |
23590994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
銭谷 幹男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70138767)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 類洞内皮細胞 / 星細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
@肝内での炎症性、抗炎症性マクロファージ動態とマクロファージによる免疫寛容誘導の関連:M1、M2マクロファージ除去による肝内での活性化リンパ球除去動態の解析 M1マクロファージ特異的マーカーのCD115、Gr1、Ly6Cに対するモノクローナル抗体、M2マクロファージ特異的マーカーCX3CR1に対するモノクローナル抗体を用いてM1、M2マクロファージを除去した際の、肝内での移入活性化リンパ球のアポトーシス誘導状態を解析したところ、M1マクロファージを除去した際には肝内活性化リンパ球除去が減弱した。一方M2マクロファージを除去しても肝内活性化リンパ球除去動態に変化はみられなかった。以上より、M1マクロファージは肝内活性化リンパ球除去に関与するがM2マクロファージは関与しないことが明らかとなった。 @肝内での炎症が類洞内皮細胞、星細胞による抗原提示に及ぼす影響 無処置で肝内炎症が存在しないコントロールマウス、FCとIL-12の免疫により自己免疫性肝障害を誘導したマウスそれぞれの肝臓から類洞内皮細胞、星細胞を分離、類洞内皮細胞はコラゲナーゼ含有還流液を門脈から投与後に肝臓をMesh上ですりつぶし比重遠心法にて得た非実質細胞分画からME9F1ビーズを用いてAutoMacsにより分離し、Collagen coated wellで培養した。また星細胞は8.2%Nycodenz液を用い1400gで15分間遠心分離して得た含有分画をαSMA抗体で染色し純度を確認後に培養系に移行した。こうして得られた類洞内皮細胞、星細胞のMHC class II分子、CD28、CTLA-4、PD-1の発現動態をFACSにより解析し、肝内炎症の有無がそれら分子の発現に及ぼす影響を検討したところ、類洞内皮細胞では各分子の発現亢進が見られたが、星細胞では見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度からの遅れにより、まずM1、M2マクロファージ除去による肝内での活性化リンパ球除去動態の解析を行ったが、モノクローナル抗体によるM1、M2マクロファージ除去の至適条件設定に時間を要したために、今年度に予定していた生理的な肝臓、炎症が存在する肝臓の類洞内皮細胞、星細胞の抗原提示能の比較検討を行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず生理的な肝臓、炎症が存在する肝臓の類洞内皮細胞、星細胞の抗原提示能の比較検討を行う。この実験系はペプチド添加によるT細胞の増殖動態と培養上清のサイトカイン測定だけなので比較的容易に遂行することが可能と考えている。 ついで主たる目的である肝臓と脾臓による免疫寛容誘導の相互依存性の解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
§肝内炎症が脾臓LNSCによる免疫寛容誘導に及ぼす影響の解析:肝内炎症のないコントロールマウス、AIHモデルマウスの脾臓よりリンパ節ストローマ細胞(LNSC)を分離する。これらの細胞の抗原提示関連分子(MHC class II分子、CD28、CTLA-4、PD-1)の発現プロファイルを解析するとともに、in vitroでLNSC、SIINFEKLペプチド、同ペプチド反応性T細胞を混合培養してLNSCによる免疫寛容誘導動態を検討し、肝内炎症が脾臓での免疫寛容誘導に及ぼす影響を明らかにする。 §脾臓摘出が肝内での免疫寛容誘導に及ぼす影響の解析:コントロールマウスおよび肝炎マウスの脾臓を摘出し、肝内のM1、M2マクロファージの存在動態、肝内におけるマクロファージによる移入活性化リンパ球除去動態、類洞内皮細胞および星細胞の抗原提示動態を解析し、脾臓非摘出マウスで得られた成績との比較により、脾臓の存在が肝内での免疫寛容誘導に及ぼす影響を検討する。 §肝内炎症が脾臓の、脾臓の存在が肝内の免疫環境に及ぼす影響の遺伝子レベルでの解析:肝内に炎症がある場合とない場合の脾臓におけるサイトカイン、ケモカインを中心とした免疫関連分子のDNA発現を、DNAチップを用いて網羅的に解析し、肝内炎症が脾臓における免疫環境に及ぼす影響を遺伝子レベルで解析する。また脾臓摘出を行った際と行わない際の肝臓におけるサイトカイン、ケモカインを中心とした免疫関連分子のDNA発現を、DNAチップを用いて網羅的に解析し、脾臓が肝内における免疫環境に及ぼす影響を検討する。さらに、肝内に炎症がある場合とない場合で同様の比較解析を行い、脾臓の存在が肝内炎症に及ぼす影響についても併せて検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)