Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Research Abstract |
弾性体の境界面に接する媒質が空気など弾性体境界に応力負荷が無いような境界(即ち自由境界)を、実体波(即ち弾性体内部を伝わる弾性波)より遅いスピードで伝播する亜音速Rayleigh波(以下単にRayleigh(レーリー)波と呼ぶ)が弾性体の角でどの様に反射、屈折されるかに関する数学的解明は、超音波を用いた弾性体境界面の非破壊検査法の基本的な未解決問題として知られている。本研究の目的は、Rayleigh波が角でどの様に反射・屈折・放射し、その一部が弾性体内部に特異性を放射するかを数学的に解明することである。 まず本研究の研究到達点であるが、本研究に関連したもっとも重要な研究である角領域における定常自由境界値問題に対する外向きグリーン関数の高周波漸近挙動に関する研究(文献 : V.V.Kamotski and G.Lebeau, Diffraction by an elastic wedge with stress-free boundary : existence and uniqueness, Proc. Royal Soc. A(2006)462, 289-317.)を徹底的に理解し、これを本研究に応用する土台を築くことが出来たが、まだ論文として発表できる形のものはない。しかし超音波を用いた残留応力の非破壊検査法として重要な深さ方向に非均質な半無限媒質中のRayleigh波の速度の分散公式を導くことが出来た。この研究成果は、既に国際的に著名な学術誌(IMA J. Applied Math.)に投稿し、査読者の改善要求を検討することを条件に論文掲載について肯定的な査読結果を得ている。この速度の分散公式は、高周波漸近局所表示可能なRayleigh波に対するものであるが、さらに高周波漸近大域表示可能なRayleigh波を考える場合には、前出文献の研究手法が必要なことが分かった。
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