電子情報のみを記述できる大規模・高精度・汎用的相対論的量子化学理論の開発
Project/Area Number |
23750024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清野 淳司 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (60580371)
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2012: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 相対論的量子化学 / 大規模分子系 / 2成分相対論 / 局所ユニタリー変換法 / 一般化非制限HF法 / 高精度化 |
Research Abstract |
本研究では、(1)周期表上のあらゆる元素を含んだ大規模分子系の電子状態を高精度・高速・汎用的に計算できる理論/プログラムの開発を行い、(2)相対論効果による側面からの解析によりこれまで「重原子効果」と漠然と位置づけされてきた効果を具体的にすることを目標としている。本年度は(1)の理論開発を行った。具体的には相対論的なDiracハミルトニアンを2成分化(電子と陽電子を完全に分離)するためのユニタリー変換と相対論効果の局所性を考慮した「局所ユニタリー変換(LUT)法」を開発することで、計算律速であった2電子ハミルトニアンにおけるユニタリー変換を大きく高速化し、従来法よりも十倍以上の規模の電子状態計算が可能になった。また計算時間は系の大きさに対して線形(線形スケーリング)である。さらにLUT法による誤差はテストしたほぼすべての分子系で0.01kcal/mol以内であり、非常に高精度である。つまりLUT法により非相対論と同等の計算コストで、Dirac方程式の解と同等の精度を与える手法にすることに成功した。加えてLUT法を分割統治(DC)法や高速多重極展開法(FMM)と組み合わせることでSCFまで線形スケーリング計算を可能とし、さらに大規模な分子系への適用が可能となった。またより高精度な理論とすべく、本研究で用いている2成分化された相対論的ハミルトニアンに対応可能な電子相関理論の開発を行った。これには従来の制限・非制限Hartree-Fock (RHF, UHF)波動関数では表現できないスピンの混成を考慮するよう、一般化非制限HF(GUHF)波動関数を基盤にした拡張を行うことで可能とした。特に本研究ではMP2レベルでの電子相関を考慮した理論開発・プログラム実装を行った。その精度はDirac方程式を基盤にした手法による電子相関を99%以上再現し、非常に高精度であることが確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)